インストール: phpMyAdmin | MySQL/MariaDBの定番管理Webアプリケーション
MySQL/MariaDBの管理をGUIで行えるphpMyAdminをソースコードからインストールする。
MySQL/MariaDBのDBの閲覧や操作はコマンドラインからも行えるのだが,SQLをその都度発行する必要があり,少々とっつきにくい。phpMyAdminはこれらのDBをGUIで操作できるWebアプリケーションとなっている。
MySQLのGUIにはMySQL workbenchもあるが,phpMyAdminは古くから広く使われており,馴染み深いので今回はDBの操作のためにインストールした。
手順
項目 | 説明 |
---|---|
配布元 | phpMyAdmin |
リポジトリー | phpmyadmin/phpmyadmin: A web interface for MySQL and MariaDB |
手順 | |
依存情報 | Requirements — phpMyAdmin 5.1.0-dev documentation |
依存先 (必須) |
|
依存先 (任意) | PHP module: mbstring, zip, bzip2, gd2, openssl, apc, libxml, curl composer, yarn |
依存元 |
日付 | バージョン | OS | 依存関係 |
---|---|---|---|
2020-04-22 | 5.0.2 | Ubuntu 18.04 | PHP 7.3.3, Apache HTTP Server 2.4.39, MariaDB 10.2.23 |
phpMyAdminはWebアプリケーションなので,Apache HTTP Serverのドキュメントルート ($HOME/.local/var/www/html
)にインストールした。
ソースコードからのインストールが手間だったので,yarn
は以下のコマンドでAPTでインストールした (Installation | Yarn)。
curl -sS https://dl.yarnpkg.com/debian/pubkey.gpg | sudo apt-key add -
echo "deb https://dl.yarnpkg.com/debian/ stable main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/yarn.list
sudo apt update && sudo apt install yarn
設定
初回ログインには設定が必要な場合があるので,設定方法を記す。
まず,Apache HTTP ServerとMariaDBを以下のコマンドで起動する。
apachectl
mysqld_safe &
その後,http://localhost:8080/phpmyadmin/にWebブラウザーでアクセスする。
ログイン画面が表示される。ここでは,MySQLのユーザー名とパスワードを入力してログインする。例えば,[Username] に [root] とだけ入力して [Go] を選択してみる。
デフォルト設定の状態だと,以下の画面が表示されてログインに失敗する。
mysqli::real_connect(): (HY000/2002): No such file or directory
このエラーは「phpMyAdmin でNo such file or directoryエラーへの対処」でも記されている通り,phpMyAdminの設定ファイルのconfig.inc.phpで,以下のようにmy.cnf
(例: $HOME/.local/mysql/my.cnf
) で指定しているsocketファイルを指定する必要がある。
$cfg['Servers'][$i]['socket'] = '/home/senooken/.local/var/lib/mysql/mysql.sock';
この他に,ポート番号などが異なっている場合,設定が必要なのでまとめて設定方法を記す。
phpMyAdminの設定ファイルはconfig.in.php
だ。「Installation — phpMyAdmin 5.1.0-dev documentation」やconfig.inc.sample.phpを参考に,config.inc.php
を手動で作成する。その他,http://localhost:8080/phpmyadmin/setup/にアクセスすることで,セットアップツールで生成することもできる。
セットアップツールでの作成方法を説明する。まず,http://localhost:8080/phpmyadmin/setup/にWebブラウザーでアクセスする。
PHPのモジュール不足に起因する警告が出ているが,最低限の動作には不要なので今回は無視する。
画面真ん中の [Servers]>[New server] を選択して,サーバーの設定を行う。
こちらで,必要に応じてServer portやServer socketを指定できる。
何も記入せずに,[Apply] を選択すると,以下のようにサーバーの情報が登録される。
この状態で [Download] を選択すると,以下の内容のconfig.inc.php
をダウンロードできる。
このファイルを雛形に,必要な情報を記入してもよい。例えば,ログインするために以下のように記入する。
ポート番号と,ソケットファイルの場所,おまけで通信の圧縮とログイン時のパスワードの省略を有効にした。
このconfig.inc.php
をphpMyAdminのルートディレクトリー直下 (例: $HOME/.local/var/www/html/phpmyadmin/
) に配置して,ログイン (ユーザー名root
,パスワードなし) を試みると,以下のようにうまくログインできる。
なお,セットアップスクリプトからダウンロードしたconfig.inc.php
では問題ないが,手動で作成した場合,http://localhost:8080/phpmyadmin/へのアクセス時に以下のエラーガ表示されることがある。
Wrong permissions on configuration file, should not be world writable!
config.inc.php
にその他のユーザーに書き込み権限があると,上記のエラーが出るので,以下のコマンドで書き込み権限を外しておく。
chmod o-w config.inc.php
これでphpMyAdminの初期設定は完了となる。他にも設定項目はあるが,残りは必要に応じて設定すればよいだろう。