VirtualBoxのWindows 10ゲストの音声入出力の有効化

概要

普段Ubuntu 20.04で作業しており,Windowsでの作業が必要なときだけ,VirtualBox上のWindows 10を起動していた。

今回,認証手続きなどの都合でリモートワークでVirtualBox上のWindowsを経由して職場のWindows PCに接続する必要が生じた。接続自体は問題なくできるのだが,VirtualBox上のWindows 10の音声入出力 (スピーカー,マイク) が機能しておらず,リモートPCでのオンライン会議で問題が発生した。

そこで,VirtualBox上のWindows 10の音声入出力の有効化方法を調べた。うまく対応できたので手順を記す。VirutalBox 6.1でホストOS=Ubuntu 20.04,ゲストOS=Windows 10 Proの環境で確認した。

以下のサイトの情報を参考に行った。

情報源

方法

基本的な手順としてはVirtualBoxの設定で音声入出力を有効にして,Windowsに音声入出力のデバイスドライバーをインストールする。

VirtualBoxの設定

1. VirtualBoxのWindows仮想マシンの [Settings] を選ぶ。

2. サイドバーから [Audio] を選ぶ。

3. 以下の設定を指定する。

  • ☑ Enable Audio
  • Host Audio Driver: Null Audio Driver以外
  • Audio Controller: ICH AC97
  • Extended Feature:
    • ☑ Enable Audio Output
    • ☑ Enable Audio Input

基本的にデフォルトの設定で問題ないのだが,一番下の [Enable Audio Input] だけデフォルトだがチェックがついていないので,忘れずにチェックを付けておく。

これでVirtualBoxでの設定は完了だ。

Windowsの設定

続いてWindowsの設定を行う。

1. コマンドプロンプト (CMD.exe) を管理者権限で開き,以下のコマンドを実行してテストモードを有効にする。

bcdedit /set testsigning on

2. Windows OSを再起動する。

Windows 10からセキュリティ対策が施されて,デフォルトでは無署名のデバイスドライバーをインストールできなくなっている。上記コマンドでセキュリティ対策を一時的に無効にする。この状態でデスクトップ背景が有効になっていると,右下に [Test Mode] のウォーターマークが表示される。

4. 「PC Audio Codecs > AC’97 Audio Codecs Software – REALTEK」にアクセスして [AC’97 Audio Codecs] をダウンロードする。

5. 一番上の [Description]=[Vista/Win7 (32/64 bits) Driver only (ZIP file)] (0001-6305_Vista_Win7_PG537.zip) をダウンロードする。最終更新日が2009-09-07と古いが問題ないので安心してダウンロードする。

6. zipファイルを展開して [setup.exe] を実行する。インストールが完了すると,[プログラムと機能] に [Realtek AC’97 Audio] が追加されている。テストモードに入っていないとインストールが失敗するので注意する。

7. Windows OSを再起動する。これにより音声入出力が有効になる。

8. 必要に応じて以下のコマンドでテストモードを終了させて,WIndows OSを再起動する。

bcdedit /set testsigning on

以上でVirtualBox上のWindowsで音声入出力が有効になる。

結論

VirtualBox 6.1でUbuntu 20.04ホスト上のWindows 10 Proゲストでの音声入出力の有効化方法を整理した。

今までVM上のWindowsで音声入出力を扱うことはなかったが,オンライン会議などでたまにVMのWindowsで音声入出力が必要なことがある。

今回の方法で音声入出力を有効にして,万が一のケースに備えたい。

なお,万が一RealtekのデバイスドライバーのURLや配布が停止された場合,こちらのローカルのファイルを提供可能であるので,気軽にコメントいただきたい。

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