Amazon EC2のElastic IPアドレスの課金条件
概要
AWS (Amazon Web Service) の一つであるAmazon Elastic Compute Cloud (EC2) にはElastic IPアドレス (EIP) というサービスがある。
EIPはEC2のインスタンスに静的なIPアドレスを割り当てるサービスとなっている。従来であれば,インスタンスの停止・終了時にIPアドレスは 解放されてしまい,次回起動時には別のIPアドレスとなってしまう。これにより,DNSによるIPアドレスの再割り当てが必要になってしまう。
EIPにより静的なIPアドレスをインスタンスに割り当てることで,こうしたインスタンスを停止・終了しても,次回再開時に同じIPアドレスを引き続き使うことができる。Webサービスのダウンタイムのゼロ化に役立つ機能だ。独自ドメインを設定する際にEIPを割り当てる (参考: AWSでの独自ドメイン名の設定)。
ただし,EIPは従量課金型のサービスとなっており,無料期間が存在しないので注意する。
今回,この課金体系への理解が足りず,少額だが意図せず課金 (月7円程度) が発生してしまったため,備忘録として記録を残すことにした。
条件
EIPの課金条件は以下の通りになっている。
また,課金体系は以下のとおりとなっている。
課金額は1時間で0.005 USDと1時間で0.5円と金額は小さい。が,それでも課金が発生するので注意する必要がある。1時間以内であれば費用が発生しない。
解説
課金の条件を整理する。まず,課金が発生しないEIPの利用条件は以下の通りとなる。
逆に,上記を満たさないEIPの使用は全て課金対象となる。
具体的には,以下のケースは課金対象となる。
1のEIPを2個以上関連付けるというケースはあまりないと思うが,NICのように1個のインスタンスに複数のIPアドレスをもたせたい場合が該当する。
この中で,うっかりしてしまうのは2と3のケースだろう。関連付けていないEIPが存在すると課金対象となる。
EIPの使用にあたって,割り当て (allocate) と関連付け (associate) という2種類の概念が存在する。それぞれ以下の意味となっている。
- 割り当て (allocate): AWSからIPアドレスを自分のアカウントに取得することを指す。
- 関連付け (associate): 割り当てにより取得したIPアドレスをインスタンスに対応付けることを指す。
基本的に,割り当て→関連付けの順番で使用することになる。
一度割り当てると,IPアドレスを自分のアカウントで確保しているので,確保している限りは実行中のインスタンスに関連付けておく必要がある。EIPを使わないならば,別の実行中のインスタンスに関連付けの対象を変更するか,割り当てを解放 (deallocate) する必要がある。そうでなければ,1時間毎に課金が発生する。
今回は,関連付けを解除 (deassociate) すれば問題ないかと誤解したために,意図せず課金が発生してしまった。
結論
EIPの課金の条件を整理した。
AWSは大量のサービス・機能が組み合わさっており,課金の条件やどこでどれくらい課金が発生するのかわかりにくい。
紛らわしいサービスに関しては,整理して理解を深めることが重要になる。その他,使わないサービスはできるだけ,削除するようにして,注意したい。
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