受験報告: UMLモデリング技能認定試験 (UMTP) L1 | 設計に必要なUMLモデリングの基礎はIT技術者に必要
UMLモデリング技能認定試験L1 (UMTP L1: 試験番号010-020 (L1-T2)) の受験報告を記す。
概要
項目 | 内容 |
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試験名 | UMLモデリング技能認定試験L1 (UML Based Modeling Certified Test Level1),試験科目010-020 |
URL | https://umtp-japan.org/about_exam/exam_gaiyo/l1 |
主催者 | UMTP/JAPAN 特定非営利活動法人UMLモデリング推進協議会 |
受験日 | 2019-06-29 Sat 10:00 |
勉強期間 | 約1.5か月 (約40時間) |
教材 |
内容
UMLモデリング技能認定試験はUMTP/JAPAN 特定非営利活動法人UMLモデリング推進協議会により実施されているモデリング言語のUML (Unified Modeling Language) の技能認定試験だ。通称UMTP試験と呼ばれている。
UMLに関する資格試験としては,UMTP試験の他にOMG認定UML技術者資格試験プログラム(OCUP試験) が存在する。OCUP試験はUMLの規格に関する試験であり,それに対してUMTP試験は実務者向けの試験となっている。
UMTP試験はL0からL4までの5段階の試験が存在する。L0は廃止になり,上位試験の受験には下位試験の合格が必須なため,最下位試験であるL1試験を受験した。
試験概要は以下のとおりだ。
項目 | 説明 |
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受験費用 | 1.5万円 (税抜き) |
申し込み | ピアソンVUE / プロメトリック株式会社 |
出題数 | 30問 |
合格点 | 24問以上生会 |
試験時間 | 80分 |
試験実施方式 | コンピュータベーストテスト (CBT) |
CBT試験で,受験後即座に結果が判明する。また,合格点が80 %と高い正答を要求されるのが特徴の試験だ。
L1試験の出題カテゴリーは公式サイトに掲載されている通り以下となっている。
関連するUML知識 | |
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(1)開発プロセス/モデリングの基本概念 | – |
(2)要求定義モデリング |
ユースケース図 |
(3)構造モデリング |
クラス図 |
(4)振る舞いモデリング |
シーケンス図 コミュニケーション図 ステートマシン図 アクティビティ図 |
(5)実装モデリング |
コンポーネント図 配置図 |
(6)複数の図を使用したモデリング |
複数の図 |
UMLで定義されているダイアグラムの内,業務で多用されるユースケース図,クラス図,シーケンス図などをメインとしたUMLに関する知識を問うものとなっている。
なお,試験の科目としては,L1-T2のみでL1の合否が判定される。以前はL1-T1とL1-T2の両方が必要だったようだが,途中でL1-T1はL0に分離された。そのため,L1の試験勉強はL1-T2の試験内容のみで十分だ。
動機
UMTP L1試験の受験理由は,初めて業務でUMLを使うことになり,UMLの作成に自信がなかったからだ。
IPAの情報処理技術者試験により,UMLの存在などは知っていた。2019-04頃から初めて業務で納品資料として,基本設計と詳細設計でユースケース図,シーケンス図,クラス図が要求された。そこで初めてPlantUMLで自分でUMLを書くことになった。しかし,UMLをきちんと勉強したことがなかったので,記法が正しいか自信がなかった。
自分でプログラムを設計するにあたって,他者への説明資料としても,UMLは読み書きできるようになったほうがよいと感じ,学習のために受験を決意した。
意外と現場にもUMLを正しく理解している人はおらず,技術者としてレベルアップにつながるだろうと感じた。
勉強
教材には以下の2冊を用いた。
試験対策問題集としては,「徹底攻略UMLモデリング技能認定試験問題集 L1(T1/T2) 対応」の他にももう一冊「[改訂版] UMLモデリング技能認定試験<入門レベル(L1)>問題集 -UML2.0対応」がある。どちらも2007年くらいの出版で,内容も更新されていないので,どちらか入手しやすい方を使えばよいだろう。
教科書には「はじめて学ぶUML第2版」を採用した。今回購入した問題集の「徹底攻略UMLモデリング技能認定試験問題集 L1(T1/T2) 対応」は解説がそこまで詳しくないので,UML入門者の場合,UMLの教科書が必須だ。
この本は書評にも記載した通り,随所で入門として評判が高く,UMTP準拠であるため,試験対策の教科書として問題ないだろうと判断して購入した。ただ,試験が終わって本を見比べた感じだと,オージス総研の「その場でつかえるしっかり学べるUML2.0」の方が網羅性が高かったので,こちらをメインに使えばよかったなと後悔した。
2019-05半ばに「UMLモデリング技能認定試験問題集L1」を入手したところから勉強が始まった。基本的に,「問題集を問いて,わからなかったところを教科書の「はじめて学ぶUML第2版」で確認してメモの作成」を繰り返した。
試験問題は,L1-T1とL1-T2の2種類存在する。T1はUMLの基本文法を問う内容となっており,T2は文章やUMLの内容の解釈を当内容となっている。途中で試験の体制が変わったようで,L1-T1は廃止済みのL0に分離され,L1はL1-T2科目のみとなっている。しかし,L1試験の合格にはT2問題だけというのは,受験直前に知った。試験に合格することだけが目的ではなく,UMLの知識を身につけることが目的でもなるので,T1科目も勉強した。
勉強は平日の月-木の帰宅後に毎日1時間,その他昼休みなど日中に30分ずつ勉強した。金土日は他の作業のため,試験勉強はしなかった。これでだらだらと1.5か月ほど勉強し,問題集を1週して,巻末の総仕上げ問題の正答率が80 %を超過したところで受験した。
ネット上の受験報告では,1日2時間で2週間程度の勉強で合格したというのをよく見かける。T2に焦点をあてて,1日の勉強時間を増やせば,2週間ほどの短期間での合格も可能ではあると思った。
なお,ここで取り上げた教材は以下でも個別に書評を書いている。
結果
試験は2019-06-29 Sat 10:00にピアソンVUEの渋谷の試験センターで受験した。
受験にはピアソンVUEとプロメトリックが選べるが,ピアソンVUEのほうがLPICなど対応試験が多く管理士やすいので,理由がなければピアソンVUE経由で受験したほうがいいだろう。
CBTであるため,試験結果は受験直後にすぐに発表される。試験結果は以下の通りだった。
項目 | 基準 |
---|---|
スコア | 86 % |
合格ライン | 80 % |
結果 | 合格 |
セクションタイトル | 得点 |
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開発プロセス/モデリングの基本概念 | 100 |
要求定義モデリング (ユースケース図) | 100 |
構造モデリング (クラス図) | 100 |
振る舞いモデリング (シーケンス図) | 66 |
振る舞いモデリング (コミュニケーション図) | 100 |
振る舞いモデリング (ステートマシン図) | 66 |
振る舞いモデリング (アクティビティ図) | 100 |
実装モデリング (コンポーネント図) | 100 |
実装モデリング (配置図) | 0 |
複数の図を使用したモデリング (複数の図) | 75 |
合格点80 %に対して86 %だったのでやや,ぎりぎりでの合格となった。
合格点が80 %と高いので,受験中も心配しながら回答していた。しかし,これ以上勉強しても正答率を高められる気がしなかったので,合格できてよかった。
問題集さえきっちりやりこんで,80 %程度の正答率を回答できれば,誰でも合格できるように感じた。集中して勉強すれば,2週間程度の勉強期間での合格も可能だろう。
意外と身の回りにUMLに対する正確な知識を持っている人はいない。今回の試験の合格により,今後の開発業務の設計でUMLを扱うときの自信になった。
UMTP試験は有効期限が存在しないため,上位試験のL2は今後さらなるUMLの知識が必要になった場面や,時間が経ってUMLを復習したくなったときに,受験しようと思う。
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