受験報告: OSS-DB Exam Silver | PostgreSQLを題材にした試験でDBの基礎を学ぶ
OSS-DB Silverの資格試験 (OSS-DB Exam Silver) の受験報告を記す。
概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験名 | OSS-DB Exam Silver (認定名: OSS-DB Silver) |
URL | https://www.oss-db.jp/outline/silver.shtml |
主催者 | LPI-Japan |
受験日 | 2018-10-08 Mon 09:30 |
勉強期間 | 1.5か月 |
教材 |
内容
OSS-DBはLPI-Japanによる実施されているオープンソースのDBの技術者認定資格試験だ。
SQLなどRDBMS全般の知識も問われるが,オープンソースのDBとして,PostgreSQL 9.0以降を扱っているので,実質的にPostgreSQLの資格試験と思っていいだろう。
OSS-DBには,SilverとGoldの2段階が存在し,今回はSilverを受験した。Silverでは,SQLなどのRDBMSの基本的な知識と共に,PostgreSQLのインストール方法,DBの作成方法,バックアップ方法などPostgreSQLの基本的な機能が一通り問われる。
具体的な試験範囲は公式サイトに掲載されており,以下の通りとなっている。
分野 | 割合 | 項目 | 重要度 |
---|---|---|---|
一般知識 | 16 % | OSS-DBの一般的特徴 | 4 |
リレーショナルデータベースに関する一般知識 | 4 | ||
運用管理 |
52 % |
インストール方法 |
2 |
標準付属ツールの使い方 |
5 |
||
設定ファイル |
5 |
||
バックアップ方法 |
7 |
||
基本的な運用管理 | 7 | ||
開発/SQL | 32 % | SQLコマンド | 13 |
組み込み関数 | 2 | ||
トランザクションの概念 | 1 |
試験概要は以下のとおりだ。
項目 | 説明 |
---|---|
学習期間 | 2週間~1か月 |
受験費用 | 1.5万円 (税抜き) |
出題数 | 50問 |
合格点 | 64点 |
試験実施方式 | コンピュータベーストテスト (CBT) |
動機
OSS-DB Silverを受験した理由は,RDBMSに関する知識を見に付けたかったからだ。
就職活動をしていると,Web開発の求人が目に付く。その中で,たいていMySQLやPostgreSQLの基礎ができること,経験があることという文言を見かける。一般的なWebサービスでは,RDBMSを使うのは当たり前になっており,こうした仕事を取る上で,OSSなRDBMS (MySQL, PostgreSQL) の知識や経験を身につける必要があると感じた。
業務で経験できればよかったのだが,そうした経験を積める環境にはないので,自習するしかない。個人的には,MySQLのほうが広く使われている印象があったが,MySQLの試験はマイナーだった。そのため,OSS-DB Silverを受験することで,PostgreSQLの勉強に役立てようと判断して受験を決めた。
また,個人的に興味を持っている分散SNSの一種に,Mastodonが存在する。Mastodonは人気があり,いずれインストールしてみようと思っており,このMastodonが採用しているRDBMSがPostgreSQLだった。そのため,Mastodonに今後とりかかるうえでも都合が良かった。
勉強
OSS-DBの試験はマイナーなのか,あまり試験対策の教材は出ていない。今回は以下の2冊の教材を使った。
まず,「OSS教科書 OSS-DB Silver」を1週間ほどかけて通読した。その後「徹底攻略 OSS-DB Silver問題集」を2週と「OSS教科書 OSS-DB Silver」の付属問題集を1週ずつ解いていき,わからなかったところや間違えたところをノートにまとめて整理するを繰り返した。「徹底攻略 OSS-DB Silver問題集」を2週解き終えて,巻末の模擬試験で80 %程度の正答率になったところで受験した。
個人的には,「OSS教科書 OSS-DB Silver」はいまいちだった。書籍の冒頭で,試験後にリファレンスとして活用されることも念頭に置いてあるとあったので期待していた。しかし,例えば関数についての記述が少なかったり,問題集で問われたのにこちらの教科書に解説がされていない項目があった。これではリファレンスとして今後使いにくい。そのため,長期的にリファレンスとしても使いたいなら,別のPostgreSQLの本をあたったほうがよいと感じた。
なお,ここで取り上げた教材は以下でも個別に書評を書いている。
結果
試験は祝日である2018-10-08 Mon 09:30に受験した。CBTであるため,試験結果は受験直後にすぐに発表される。試験結果は以下の通りだった。
項目 | 基準 |
---|---|
スコア | 82点 |
合格ライン | 64点 |
結果 | 合格 |
セクション名 | 正解率 |
---|---|
一般知識 | 75 % |
運用管理 | 76 % |
開発/SQL | 93 % |
合格ライン64点に対して,82点をだったのでやや余裕を持って合格できた。
「徹底攻略 OSS-DB Silver問題集」さえきっちりやりこんで80 %程度の正答率を取得できれば,誰でも合格できるように感じた。公式サイトで掲載されていた標準勉強期間が1-1.5か月程度なのも納得だった。
試験内容はPostgreSQLを扱ったものだが,例えばバックアップやリストアのやり方は,コマンド自体は異なるものの,結局MySQLでも同じような感じだ。RDBMSがどういうものであるか概観を知るのには役に立った。
1-1.5か月ほど頑張れば合格できるので,RDBMSについて勉強するのにちょうどいい試験だった。今後PostgreSQLやRDBMSを使うときの自信になった。
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