受験報告 2級ビオトープ計画管理士 | 科目免除のありがたみは薄い

2015-10-04(日)に2級ビオトープ計画管理士を受験したので受験記録を記す。

試験概要

項目 説明
試験名 平成27年度ビオトープ管理士資格試験
受験級 2級ビオトープ計画管理士
受験区分 一部免除認定校の学生・卒業生の受験
受験番号 096069
試験会場 大阪会場(関西大学 千里山キャンパス 第1学舎1号棟A601教室)
受験日 2015-10-04(日)
合格発表日 2015-12-19(土)

ビオトープ管理士とは何であるかは公式サイトに記載されている。

「ビオトープ管理士」は、自然と伝統が共存した美しく強靱な地域の創造を目指す技術者、端的に言えば、自然の保全・再生を任すことが出来る技術者です。

ビオトープ管理士 公式サイト|ビオトープ管理士 概要説明と活躍のようす|(公財)日本生態系協会

ビオトープ管理士は環境や土木建築関係の資格である。こうした仕事に従事している人が取得することが多いと思われる。土木関係の仕事では,ビオトープ管理士の資格保有者の存在は,地方自治体や国の仕事の入札上の評価ポイントともなっている。そのため,会社として取得を推進しているところもあるだろう。

1級と2級があり,計画と施工の2部門がある。2級の試験は筆記試験で全3部門の択一式が50問,小論文が1問となっており, 全部門で60 %以上の正答が合格基準となっている。免除制度もあり,指定の学校科目の単位を取得していれば択一式設問全50問の内25問が免除される。

受験理由

今回ビオトープ管理士を受験したのには2点の理由がある。

  1. 試験科目の免除期間の期限
  2. 会社での活用

1点目は,試験科目の免除期間の期限が近づいていたためだ。試験概要にも記載したが,ビオトープ管理士の試験は大学で取得した単位により一部試験科目の免除を受けられる。大学で関連科目の単位を取得していたので一部試験科目の免除を受けることができた。ただし,この免除期間は卒業後5年間のみ有効である。大学(学部)を卒業して4年目だったため,免除期間が失効が近づいていた。せっかく免除を受けられるのに,逃すのはもったいないと判断した。

2点目は,ちょうどこのときに勤務していた会社が土木関係の会社だったため,何か仕事で役に立つかもしれないと考えたためだ。土木関係仕事では,国や地方自治体が発注する仕事に入札することがあり,このときに国家試験などを持っていることが評価ポイントや,入札の参加条件になっている。ビオトープ管理士はこの対象になっているため,取得しておけば何か役に立つかもしれないと考えた。

勉強方法

テキストには,ビオトープ管理士公式サイトでも推奨されている以下のテキストを使用した。

現在であれば2016-01に改訂版である「改訂版 ビオトープ管理士資格試験公式テキスト」が発行されているのでこちらを使うのがよいだろう。

ビオトープ管理士の試験対策本はこれしか出版されていないので,受験者はほぼこれを参照することになるだろう。

また,日本生態系協会のエコネットに新規登録してから過去3年分(2012-2014)の過去問題集をダウンロードして,試験勉強に使った。

勉強の流れは以下の通りだった。

ビオトープ管理士2級の試験勉強の流れ
  1. テキストを8月から読み始めて9月半ばに読了。
  2. 9月中旬から過去問題演習。
  3. 過去問題演習で間違えた問題は参考書を読んで,わかっていないところをノートに整理。
  4. 2-3をを繰り返して10/4の試験に備えた。

参考書だけでは不足する部分(例えば,川の瀬とか淵とか,回遊魚とか)があるので,その点についてはネットで調べてまとめた。

小論文

ビオトープ管理士では筆記試験の他に小論文が問題として存在する。

小論文は例年似たような形式となっている。与えられた3項目から一つを選び,400字以内で回答するというものだ。この3項目は例年似通っており,以下のような形式となっている。

  1. 今まで関わった事業や活動を具体的にあげ,評価し,今後取り組みたいことなど。
  2. 試験勉強で学んで得られたこととそれをどう役立てていきたいか。
  3. 年ごとに違うテーマ。提示されるテーマについての意見,それを踏まえて今後どう取り組みたいか。

学生が受験することを想定して,全体的に今後取り組みたいことに焦点があたっている。どのように回答すればよいかわからず,ネットを探したが例文がなくて困った。今後の参考として自分が書いた例を以下に記しておく。

問題2:

ビオトープ管理士資格試験の準備を通じて学んだ知識を今後どのように活かしていきたいかを具体的に述べなさい。400字以内。

回答:

ビオトープ管理士の勉強では,「外部から持ち込むのではなく,もともとあるものだけで解決する」考え方を学んだ。

メダカを用水路に放流して蚊の幼虫であるボウフラの駆除に利用ということを小学生だった1990年代半ばにきいた。ビオトープ管理士の勉強を通じて,外部から元々いなかった生物を放流することは,現地の生態系を崩すおそれがありダメだとわかる。冒頭の考え方をしらずに,人間の利便性を追求して行動すると,間違ってしまう。

今後新しい技術や製品が登場してきたときに,また自分たちの行動が生態系に対してどのような影響があるかを頭のどこかにおいて行動することが重要だと感じた。

自然を豊かにする場合も,今まで人が踏み込めるように整地されていたところに,現地の廃材を配置したり,生い茂り過ぎている箇所を伐採して日光が当たるようにするなど,元々あるものを活用して解決していきたい。(381字)

この「もともとあるものだけで解決する」というのはなんとなく思うところがある。標準環境・ライブラリだけでどうにかできるならそれに越したことはないというのと似ている。

感想

受験者はそこまで多くなかった。大学の講義室いっぱいに人がいたので今回の会場では2級全体で100人くらい。試験もそこまで難しいものではないと思った。

一部,写真をみて何の生物か回答する問題があり勉強しづらい部分がある。この手の問題は勉強するのが難しく,正答が保証できないので効率が悪く切り捨ててもしかたないかなと考えている。

科目免除があったので受験したが,結果として科目免除の意味はあまりなかった。科目免除しても,受験する問題数が減るだけだからだ。

合格するには,部門ごとに60 %の正答が必要であり,結局通常受験と同じ範囲を勉強して同じ知識が必要になる。しかも,1問あたりの比重が高くなる(部門ごとに 5-10問)ため,運悪くわからない問題が2-3個続くと60 %を下回るため,通常受験よりもリスクが上がる。これならば通常受験でリスクを分散したほうがよかったかもしれない。

合格発表後に,その後の状況をまた報告する。

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