面接の最後で何も質問すべきでない3の理由

概要

バイトにしても就職にしても採用活動ではほぼ間違いなく面接試験が実施される。そして,面接の最後ではたいてい応募者に対して面接官への質問の機会が与えられる。たいていの面接対策指南では,面接の最後で2-3の質問を推奨している。

就職活動歴6回の過去の経験からして,ここでは特に聞きたいことがない限り,逆にむしろ何も質問しない方がいいと感じた。その理由は以下の3点だ。

面接の最後で何も質問すべきでない3の理由
  1. 悪印象のリスク
  2. 時間の無駄
  3. 回答の精度

この記事では,これらの理由と代わりの対処方法を解説する。

1. 悪印象のリスク

1個目の理由は,質問することで「悪印象を与えるリスクが存在」するためだ。これが最大の理由でもある。

こちらが良かれと思って,また必要と思って尋ねた質問が,相手に不信感を与えてしまう場合がある。

自分の実体験としても最後に余計な質問をしたがために,悪印象を与えてしまい最終面接で不合格になったことがある。

具体的には,「情報共有がどうなっているか,トップダウンでの情報伝達なのか,ボトムアップで現場から声を挙げることが可能なのか」という内容で質問した。質疑応答の中で,過去の職場でトラブル発生時に上層部のみが情報を握っており,現場に情報が共有されないがために,同じような問題が頻発していることがあったことを告げた。

どうやら受験していた会社では,同じくトップダウンの経営だったようで,逆にこのようにボトムアップで現場と情報を共有するという方針と合わず,そこがミスマッチだと不合格の理由の一つとして告げられた。

面接での最後の質問は,こちらの印象アップにもつながるのだが,逆に印象ダウンにもつながる諸刃の剣だ。そして,基本的には最後の質問に至るまでの質疑応答で面接の合否がほぼ決まる

最後の質問だけで,相手に好印象をあたえて不合格が逆転して合格になるということは考えにくい。逆に,リスクを避けたいという人間の心理の作用で,ボーダーラインのところで下手な質問をして,悪材料を相手に与えてしまって,合格が不合格になることは十分にありえる

そういう意味で,最後の質問はリスクのほうが大きい

2. 時間の無駄

2個目の理由は,単純に質疑応答が「時間の無駄」だからだ。

なぜ,時間の無駄かというと,面接で不合格でそもそも入社できない会社の情報を入手しても意味がないからだ。

1個目の理由の最後でも書いた通り,面接の合否は最後の質疑応答に至るまででほぼ決まるからだ。つまり,もともとそれまでで不合格のラインで質疑応答が終わっているならば,最後で質問したところで,それは覆らない。結局,入社できない会社の情報を入手できるだけとなる。

そもそも,面接の最後での質問というのは,入社の判断材料のために行う。しかし,そもそも入社できないのであれば,詳しく知ったところで意味がない

だから,最後に質問しても時間の無駄となるのだ。

3. 回答の精度

3個目の理由は「回答の精度」が期待できないからだ。

当然ながら,対面での質疑応答であれば,回答者がその場で答えられる程度の内容しか情報が得られない。したがって,回答内容はどちらかというと定性的なものや事務的な内容に限定される。

具体的で定量的な内容はその場で回答するのがそもそも難しい。例えば,従業員の男女比率,育児休暇の取得日数・取得率,学歴の内訳など,より正確な数値データの把握は難しい。あくまで回答者の印象や曖昧な記憶での回答となり,でたらめなものとなってしまう。

そういう意味で,面接の最後の質疑応答では回答内容の正確性・精度に期待できず,あまり意味がない

対処方法

ここまでで面接の最後で質問すべきでない3の理由を説明した。

しかし,そうはいっても「最後に質問ありますか?」と聞かれて素直に「何もありません。」と回答すると,会社に対する興味がないとか意欲がないなど,悪印象を与えるリスクもある。

そこで,面接の最後で質問を尋ねられた場合の対処方法も解説する。具体的には,以下のように回答すればよい。

面接の最後で質問を尋ねられた場合の対処方法

Q. 最後に何か質問ありますか?

A. 特にありません。細かい質問は次の選考や内定後にお尋ねします。

このように,現時点では質問せず,次の選考や内定後に質問することをはっきりと伝える。こう回答することで,質問しないことによるリスクと,下手に質問することによるリスクの両方を回避できる。

基本的に,内定通知をもらえるまでは採用側が立場が上となる。内定通知をもらって初めて,採用側と応募側の立場が対等になる。本当に質問したいこと,相手の心象が悪くなるかもしれないような際どい本質的な質問をしたいならば,内定をもらってから行うのが確実だ。

内定後にメールで質問してもいいし,人事担当に依頼して,現場社員との懇親会やインタビューの場を用意してもらえばいいだろう。

逆に,内定後にこちらの質問に対応できないならば,それまでの企業だったということで,容赦なく切り捨てればよい。

なお,本当に質問したいことや,相手に悪印象を与えない質問であれば,素直に質問してもよいだろう。

ただし,無理にひねり出した質問,調べればすぐに分かる質問,面接と関係のない質問,際どい質問など悪印象につながる質問をするくらいならば,今回解説した通り何も質問しないほうが無難だ。

結論

面接の最後に何も質問すべきでない3の理由と,代わりの対処方法を解説した。

自分も過去の就職活動でいろいろ苦労をして,インターネットや本でうまくやる方法を調べたりするが,特にインターネットはアフィリエイトを目的とした実践されていない中身の薄い情報が非常に多く,有益な情報が少ない。

実際,「面接の最後では何か質問しよう」という面接対策本の指南が,何も考えずにまかり通っている。常識というのはよくよく考えると間違っていることもけっこうある。今回の解説内容もその典型的な例だ。

自分が試行錯誤して実践した本当に有益な生の情報を少しでも残していきたい。

面接の最後で何も質問すべきでない3の理由” に対して1件のコメントがあります。

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