受験報告 PHP7技術者認定初級試験 | モダンな言語と渡り合えるWeb黎明期から存在する言語でWeb技術を学ぶ
PHP7技術者認定初級試験の受験報告を記す。
概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験名 | PHP7技術者認定初級試験 |
URL | https://www.phpexam.jp/summary/novice7/ |
主催者 | 一般社団法人BOSS-CON JAPAN PHP技術者認定機構 |
受験日 | 2019-08-17 Sat 10:00 |
勉強期間 | 約2.5か月 (約50時間) |
教材 |
内容
PHP7技術者認定初級試験は一般社団法人BOSS-CON JAPAN PHP技術者認定機構により実施されているプログラミング言語PHP7の技能認定試験だ。
PHPの試験としては,元々PHP5の技能認定試験としてPHP5技術者認定初級試験やPHP5上級試験が2012年頃から実施されていた。しかし,2018年12月でPHP5のサポートが終了となり,今後PHP7が主流となる。これに併せて,PHP7技術者認定初級試験が始まった。
試験概要は以下のとおりだ。
項目 | 説明 |
---|---|
受験費用 | 1.2万円 (税抜き) |
申し込み | オデッセイコミュニケーションズCBTテストセンター |
出題数 | 40問 |
合格点 | 7割 |
試験時間 | 60分 |
試験実施方式 | コンピュータベーストテスト (CBT) |
CBT試験で,受験後即座に結果が判明する。また,合格点が70 %と比較的高い正答を要求されるのが特徴の試験だ。
出題範囲は以下の通りとなっている。
項目 | 出題問題数 |
---|---|
PHPの特徴 | 2 |
テキストと数の操作 | 3 |
ロジック:判定と繰り返し | 2 |
データのグループ:配列の操作 | 3 |
ロジックのグループ:関数とファイル | 3 |
データとロジックの結合:オブジェクトの操作 | 2 |
ユーザとの情報交換:Webフォームの作成 | 4 |
情報の保存:データベース | 4 |
ファイルの操作 | 2 |
ユーザの記憶:クッキーとセッション | 2 |
他のWebサイトやサービスとのやり取り | 2 |
デバッグ | 2 |
テスト:プログラムが正しく動作するようにする | 2 |
ソフトウェア開発で心得ておきたいこと | 1 |
日付と時刻 | 1 |
パッケージ管理 | 1 |
メールの送信 | 1 |
フレームワーク | 1 |
コマンドラインPHP | 1 |
国際化とローカライゼーション | 1 |
40 |
PHPの基本文法の他に,DB連携,メール,パッケージ管理,コマンドライン,Webサービスとのやりとりなど広く浅く知識を問うものとなっている。
PHP7の試験の開始を知らずに,元々PHP5の受験勉強を進めていた。PHP5とPHP7の試験の違いは以下のように感じた。
- DBアクセスがPEAR::MDBからPDOに変更
- メール周りがSwift Mailerに移行
- XML関係の出題廃止
- パッケージ管理,コマンドラインPHP,Webサービス (cURL),フレームワーク,テストの追加
7割程度はPHP5と同一なのだが,上記新規出題範囲が3割程度存在しているのがポイントとなる。
動機
IT業界においては,Webサービスに関する仕事が多く,求人としても多くなっている。仕事ではWeb開発の仕事には巡り合っていないが,IT技術者としては,Web技術を避けて通るのは難しいと感じていた。
そこで,Web開発の勉強のために,Webの黎明期から現在まで第一線で使われているPHPの勉強を考えた。Webの開発自体は,Ruby, Python, Javaなど多数の言語で行われている。
しかし,普段自分が使っているOSSのWordPress, GNU social, Nextcloud, Kanboard, Tiny Tiny RSSなどが軒並みPHPだった。自分にとって身近なPHPからやるのがよいだろうと考えた。
勉強
教材には以下の2冊を用いた。
試験対策問題集として,「PHP7技術者認定初級試験問題集」と「PHP5技術者認定初級試験問題集」を使用した。元々,PHP7の試験の存在を知らず,受験間際になって知ったため,当初はPHP5の試験問題集で勉強していた。
教科書には,PHP Manualを使用した。PHPのテキストとして「初めてのPHP」を主教材としているようだったが,公式マニュアルのほうが信頼性が高いので,こちらを参照した。
ここで取り上げた試験問題集は以下で個別に書評を書いている。
- 書評☆4 徹底攻略PHP7技術者認定[初級]試験問題集 | PHP7技術者認定初試験の公式かつ唯一の問題集
- 書評☆4 徹底攻略 PHP5技術者認定[初級]試験 問題集 | 唯一のPHP5技術者認定初級試験の公式問題集で8-9割正答できれば合格は目前
試験問題集だけでは,解説が不十分であるため,公式マニュアルや教本などが必須と感じた。
元々は2018年11月あたりのPHP5の試験の合格を目標に計画を立てていたのだが,別の用事で余裕がなくなり,2019年4月末にフォーカスをあてて,勉強を進めていた。一通り問題を解いて,自信が付いたところで受験申込しようとしたところで,新試験の実施とテストセンター変更のため,受験不能だった。
そこで初めてPHP7の試験の存在を知った。どうせお金を払って受験するならば新しい方がいいと判断し,PHP7の試験問題集の発売を待って,受験した。
勉強方法としては,他の試験と同様に以下の手順で進めた。
- 問題集を1週
- わからないところ,間違えたところを勉強
- 2週目をこなす
勉強は平日の月-木の帰宅後に毎日1時間,その他昼休みなど日中に30分ずつ勉強した。金土日は他の作業のため,試験勉強はしなかった。これでだらだらと1.5か月ほど勉強し,問題集を1週して,巻末の総仕上げ問題の正答率が80 %を超過したところで4月末に受験を試みた。
が,前述の新試験の実施を知ったため,一旦中断し,7月末にPHP7の試験問題集を購入し,上記サイクルを繰り返して自信が付いた2019-08-17 Satに受験した。
なんだかんだで2.5か月ほどかかってしまった。うまく集中してやれば,1か月から1.5か月程度での合格も可能だろうと感じた。
受験
試験は2019-08-17 Sat 10:00に有楽町のオデッセイテスティングセンターで受験した。
PHP7の試験になって,受験方法が変わった。オデッセイテスティングセンターを使うのだが,これがわかりにくかった。
まず,PHP7技術者初級認定試験の試験概要のページでは,試験申し込みサイトに「Odyssey CBT」が掲載されている。ここで,アカウントを取る必要があることには間違いがない。しかし,実際には「オデッセイ テスティング センター」のページから受験を申し込む必要がある。
ここの受験の申し込み手順がいまいちわかりにくくて戸 惑ってしまった。また,受験時には決まった時間にまとめて受験者が受験するのだが,室内にOdysseyのIDとPWを持ち込む必要がある。受付で持ち込 み用のメモ用紙をいただけるのだが,身分証明書の他にいちいちID/PWを紙で持ち込む必要があるのが,時代遅れに感じた。
個人的には,LPICなどで使われているピアソンVUEのCBT試験のほうがスムーズで良かったのだけれど,あちらはあちらで受験費用が高いので,何かいろいろあるのだろう。
会場の建物は大きなビルで,地下1Fにオデッセイテスティングセンターが入居していた。
受験前に,フロアに展示されているExcel VBAの試験のテキストを眺めていた。
結果
CBTであるため,試験結果は受験直後にすぐに発表される。試験結果は以下の通りだった。
項目 | 基準 |
---|---|
合格評価得点 | 700 |
スコア | 900 |
結果 | 合格 |
セクションタイトル | 正解率 |
---|---|
1. オリエンテーションと始めの一歩 | 100% |
2. テキストと数の操作 | 100% |
3. 判定と繰り返しについて | 100% |
4. 配列の操作 | 67% |
5. 関数 | 67% |
6. オブジェクトの操作 | 100% |
7. Webフォームの作成 | 100% |
8. データベースに情報を保存 | 100% |
9. ファイルの操作 | 100% |
10. クッキーとセッションでユーザを記憶 | 100% |
11. 他のWebサイトやサービスとのやりとり | 100% |
12. デバッギング | 100% |
13. プログラムが正しく動作するように | 50% |
14. ソフトウェア開発で心得ておきたいこと | 100% |
15. 日付と時刻の取り扱い | 100% |
16. コマンドラインPHP | 100% |
17. 国際化とローカライゼーション | 100% |
18. パッケージ管理 | 100% |
19. メールの送信 | 100% |
20. フレームワーク | 0% |
合格点700に対して900だったのでやや余裕を持っての合格となった。全40問で90 %なので,おそらく4問間違いだと思われる。
試験に合格すると,「Odyssey CBT | オデッセイ コミュニケーションズ」にログインすることで,上記のスコアシートをWebページからダウンロード可能となる。また,後日に認定証も送付されるそうだ。
受験の感想としては,問題集さえきっちりやりこんで,80 %程度の正答率を回答できれば,誰でも合格できるように感じた。集中して勉強すれば,2週間程度の勉強期間での合格も可能だろう。
試験内容は,フォームとの連携,セッション管理やDB操作など,Web開発に最低限必要な事項がまとめられている。これはWeb開発の基礎知識として,勉強できてよかった。
しかし,試験勉強だけではこれらが身に付いたとは思っていない。知識としてはあるが,実際に自分でサンプルのWebサービスを作ってみないと,身には付かないと感じた。
ひとまず,試験には合格できたので,ここで学んだ知識を整理するための自前のWebサービスを開発してみたい。また,PHP7技術者認定上級試験が発表されたら,そちらの受験も検討したい。
なお,PHP技術者認定試験の公式サイトで合格体験記が募集されている。応募すると,マグカップやぬいぐるみ,本立などをもらえる。氏名の公表に抵抗がなければ,応募するとよいだろう。
ちなみに,僕の合格体験記「妹尾 賢様のPHP7技術者認定初級試験合格体験記を公開しました。 – PHP技術者認定機構」は公開済みだ。
2019-09-15 Sunに合格証書と合格体験記の景品のマグカップが届いた。マグカップは思っていたより少し大きかった。
合格証書に記載の合格番号は合格者の照会から第三者が紹介するのに使える。試しに,僕の合格者番号 [camu-hs7b-9etx] を入力すると以下の画面が表示される。
企業や第三者への合格の証明に使えるだろう。
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