至高のQt開発IDEを求めて | Qt 勉強会 @ Tokyo #59 参加報告
前回に引き続いて,今月も参加したので参加報告を記す。
概要
項目 | 内容 |
---|---|
イベント名 | Qt 勉強会 @ Tokyo #59 |
URL | https://qt-users.connpass.com/event/87873/ |
ハッシュタグ | #qtjp |
開催地 | 株式会社PTP 9F会議室 東京都新宿区新宿1-23-1 新宿マルネビル9F |
開催日時 | 2018-05-19 13:00-18:00 |
参加人数 | 10 |
connpass上は11人だったが,当日1名欠席だった。
作業内容
前回参加してから,今後の参加をどうするか考えていた。自宅にいても,なんだかんだで理由を付けてQt以外の作業をするだろう。無理矢理にでもQtの勉強をするために,原則毎回参加することにした。同時に,毎回参加報告を書くことを心がけることにした。
肝心の今回の作業内容は,Qtで使用するIDEの検討だ。Qtの開発をする場合,Qt公式IDEであるQtCreatorを用いるのが一般的だ。しかし,QtCreatorでの開発には問題がある。それは,Qt以外の開発には向いていないことだ。
当たり前といえば当たり前なのだが,自分にとってはこれは将来的に重要な問題だ。Qtの開発なので,それと関連するC/C++の開発であれば問題ない。しかし,世の中にはQtやC/C++の仕事は多くない。
例えば,転職サイトで [qt] のキーワードで検索しても,たったの数件しかヒットしない (2018-05-20時点)。この現状を踏まえると,Qtの仕事をできるのはかなり恵まれているといえるだろう。
そのため,Qtでしかほぼ通用しないQtCreatorよりかはEclipse, NetBeansのように仕事の多い,Java, C#, PHPなどでも通用するようなIDEに慣れておくほうが有利だ。時間は限られており,エディターのカスタマイズに避ける時間も年齢と共に減っていく。いろんなツールに手を出すよりは,一つの信頼できるツールをしっかり使いこなしていきたい。
ただし,QtCreator以外のIDEでQtの開発ができるかどうかはよくわかっていない。そこで,今回はQtCreator以外のIDEでQtの開発ができるかどうかの調査を行った。
作業結果
クロスプラットフォーム (Windows, Linux, Mac)で,多言語対応していることを条件に,調査対象に以下の3 IDEを選定した。
- Eclipse
- NetBeans
- Visual Studio Code
ひとまず,これらのIDEをインストールして,Qtのプロジェクトを新規作成し,Qtのサンプルアプリをビルドできるかを試した。
作業状況は以下の通りとなった。
IDE | インストール | プロジェクト作成 | ビルド |
---|---|---|---|
Eclipse | ○ | ○ | × |
NetBeans | ○ | ○ | ○ |
Visual Studio Code | ○ | × | × |
インストールはどれもできたのだが,最後まで成功したのはNetBeansだけだった。
EclipseはCDT (C/C++ Develop Tool) とそのQt用のオプションプラグインを追加すれば,対応できるそうだった。しかし,ビルドツールのパスを自分で設定する必要があり,Eclipseは使ったことがなかったのでどこで指定したらよいかわからず時間切れとなった。
Visual Studio Codeは,基本的にQt用のプラグインなどはなく,CMakeでやればできるとのことだった。CMakeを自分で書くのは勉強が必要であり,この場では用意できる自信がなかったので断念した。
今回の勉強会の報告では,とりあえずNetBeansでのビルドができたので,NetBeansでのQtの開発をやっていくみたいな報告をした。しかし,これはもう少し検討したほうがいい。というのも,NetBeansだとC#の対応が難しいからだ。
前職も今の現場もそうなのだが,結局渡されるパソコンがWindowsであり,追加ソフトのインストールが難しい。だから,否が応でもWindows標準で使える技術に頼らざるをえない。Windows標準で使えて,仕事があって,応用のきくプログラミング言語となったらC#しかない。そして,C# への対応を考えると,開発元が提供しているVisual Studio Code (VSCode) が手堅い。
また,以下の記事にもあるとおり,NetBeansよりもVSCodeのほうが対応言語も,ユーザー数も増えてきており,将来有望だ。
ただし,VSCodeでQtの開発をする場合,基本的にCMakeが前提となる。悩ましいのだが,汎用性も捨てがたいので,一旦CMakeを勉強して,VSCodeでのQtの開発を検討しようと思う。
Qtの開発がストップしてしまうのだが,CMakeはできる人がそんなに多くなく,Qt以外のプロジェクトでも流用がきくので,無駄ではない。「急がば回れ」ということで,焦らずじっくり取り組んでみよう。
まとめ
今回の勉強会では,Qt開発用のIDEを調べていた。Eclipse, NetBeans, VSCodeを検討し,NetBeansでのQtアプリのビルドの成功した。
しかし,今後のことを考えてVSCodeでの開発をできるようにしていきたい。これと合わせて,CMakeの勉強も行っていきたい。VSCodeとCMakeへの習熟。これが当分の課題になる。
次回での勉強会ではこのあたりを進めていきたい。
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