自分の論文で英文タイトルと名前の英文表記欄がある。この日本人の名前を英語で書くときのルールの話。
つまり
Oda Nobunaga // Nobunaga Oda
Oda, Nobunaga // Nobunaga ODA // ODA, Nobunaga
のどれが正しいのかという問題。
この英語表記の構造は大きく2つに分かれる。
1. 「姓名」「名姓」の順番
2. 姓を全て大文字にするかしないか
1. について、本多勝一は日本語の作文技術のp. 8の凡例で、
”人名はすべてその人物の属する国の表記法の順序そのままで使います。”
とあり、最後に、
“(理由は拙書『殺される側の論理』<朝日文庫>収録の「氏名と名氏」参照。”
とある。
次の2つのサイトではおそらくこの本多勝一の本を読んだと思われる人のコメントがある。
http://plaza.rakuten.co.jp/intisol/diary/201101100000/
英語の先生が姓名の英語表記の歴史のプリントを公開http://blogs.yahoo.co.jp/gibson_erich_man/22676435.html?type%253Dfolderlist 2012/04/01
日本サッカー協会は日本人の選手名に姓名の順でのを採用を決定した。
http://www.jfa.or.jp/jfa/topics/2012/39.html
上記の決定の元となっている、文科省の答申(『[Roman3 ] 国際化に伴うその他の日本語の問題』の『二 姓名のローマ字表記の問題』が該当箇所)
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20001208003/t20001208003.html
上記の答申の元となっている文化庁による第22期国語審議会
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kakuki/22/tosin04/17.html
2. について
翻訳屋さんのサイトhttp://www.speedtensaku.com/article/14022329.html
苗字を大文字にしないといけないというルールはないらしい。
次の2つはこの話題1と2全体の記事がある
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%93
http://ameblo.jp/renderrender/entry-10503813143.html
このうち下のリンクの記事によると大文字で書いても苗字とは別に認識されないらしい。
翻訳会社のサイトhttp://www.ytrans.com/Jeff%20HP_24_090805.html
によると大文字にするとただの強調になるようだ。
Oda, Nobunagaという方式は通用するらしい。
そういえば奥村先生の第5版LaTeXe美文書入門のp. 176のBibTeXのauthor欄でも姓とそれ以外の部分が判別しにくい場合はこの形式の方が確実と書いてあった。
Vincent van Goughだと(画家のゴッホ。ゴッホというのは苗字)
van Gough, Vincentとなる。
____________________________________
ここまで自分で調べた結果をまとめて、現時点での所感と結論を出しておく。
人名の姓名の順はその国の文化によるものが大きいのでその国で使われている順で使うのが順当であり文中でも自然だ。これは最初に引用したhttp://plaza.rakuten.co.jp/intisol/diary/201101100000/や本多勝一、国語審議会http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kakuki/22/tosin04/17.html
と同意見。
姓の大文字の件は国語審議会で挙げられた従来の慣習に基づく誤解を防ぐため最大限の方法をとる。大文字だけでは不十分であるが、,だと小さいため瞬時の判断に時間がかかる。よって次のように2つを取り入れる。
ODA, Nobunaga
以降署名や名刺などは今回の調査に準じて実行しよう。
本多勝一の殺される側の論理という本の「氏名と名氏」を読んでその人がこう決めた理由をみよう。
『名前の表記—名字を大文字にするのは通じるのか』
関連