Windows 10でWebブラウザーのmsftconnecttest.comの無限表示の防止
概要
「M1 Mac+UTMでのWindows 10 ARMの構築 – senooken.jp」に記した通り、M1 Mac上の評価版Windows 10 ARM (Microsoft Windows [Version 10.0.21390.2025]) でWindows用のアプリケーションを試していると、勝手にWebブラウザーのIE Edgeが起動してくることに気づいた。
放置していたら無限にニュースのタブが開かれ、作業途中でもお構いなしにWebブラウザーが起動してしまう。フォーカスがWebブラウザーに奪われ、作業が強制的に中断され、非常に邪魔だった。これの防止方法を見つけたので整理する。
デスクトップを録画して、Webブラウザー起動直後のURLを注意深く観察すると、どうやら<http://www.msftconnecttest.com/redirect>のURLを開こうとして、失敗してスタートページが表示されているようだった。
原因
このURLで検索すると、同じ問題の「Windows10でmsftconnecttest.comへのredirectを止めたい【Ver1903】 – Microsoft コミュニティ」の報告が見つかった。
ここで引用されている「コンピューター Internet Explorer企業ネットワークまたはパブリック ネットワークに接続すると、[エッジ] ウィンドウまたは [エッジ] ウィンドウが開きます。 – Windows Client | Microsoft Docs」がそのものずばりの内容だった。
Windowsでは、場所認識 (NLA: Network Location Alert?) サービスを利用して、ネットワークのプロパティ(パブリックだとかプライベートだとか) を検出して接続を管理しているらしい。そして、NLAは接続状態インジケーター (NCSI: Network Connection State Indicator?) というコンポーネントを使って、接続の確立を判断する。 NCSIの接続の確立時に例のサイトを表示している。
このNCSIによる接続の確立確認は、以下の3種類の手続きで行われる。
- NCSIアクティブプローブとネットワーク状態アラート
- 認証と自動サインインページ
- NCSIパッシブ監視とネットワーク状態アラート
今回問題となっている<http://www.msftconnecttest.com/redirect>は、3のNCSIパッシブ監視の手続きで開かれている。
該当ページが正常に開かれないため、この手続きが繰り返されているのが原因のようだ。
対策
当初はネットワークプロファイルが「パブリック」だったのが問題かと思い、これを「プライベート」にすれば解決するかと思ったのだが解決しなかった。
そのため、上記のマイクロソフトのページに書かれているレジストリーの設定で対応する。
具体的には、以下のレジストリーに1を設定して対応する。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\NetworkConnectivityStatusIndicator\DisablePassivePolling
デフォルトではDisablePassivePolling
のエントリーは存在しないので作成する必要がある。
コマンドで行う場合、管理者権限でCMD.exeを開いて以下のコマンドを実行していく。
値の確認は以下のコマンドで行う。
reg query HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\NetworkConnectivityStatusIndicator
登録は以下のコマンドで行う。
reg add HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\NetworkConnectivityStatusIndicator ^
/v DisablePassivePolling /t REG_DWORD /d 1
登録したレジストリーは以下のコマンドで削除できる。
reg delete HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\NetworkConnectivityStatusIndicator ^
/v DisablePassivePolling /f
設定後、再ログインすると設定が反映され、例のWebブラウザーの自動起動がなくなる。
なお、この設定はシステム全体に影響あるため、HKEY_CURRENT_USERのルートで設定しても効果がなかった。
結論
Windows 10でのmsftconnecttest.comの無限表示の防止策を記した。
放置するとWebブラウザーのタブの数がとんでもないことになり、メモリーも無駄に消費する。キーやマウス操作のフォーカスが強制的に中断されてしまうのが何よりも問題だった。
いちいちストレスになっていたのだが、今回の対応でこれが解決してだいぶましになった。
評価版Windows 10 ARMをM1 MacのUTM上で使用すると、言語切替だとかWebDAVだとかで今まで気にしたことのなかったWindowsの問題に遭遇している。今回の件もこの一環に思う。
正式版のWindows 10 ARMの発売まで我慢したい。