インストール: Perl | Perlbrewでお手軽インストール
概要
GNU StowやAutotoolsなどでプログラミング言語のPerlが使われており,最新のPerlを自前でインストールする方法を探っていた。
公式サイト「Perl Download – www.perl.org」を眺めると,ソースコードからのビルドよりもApp::perlbrew
の使用が推奨されていた。
実際にPerlbrewでPerlをインストールできたので,PerlbrewでのPerlのインストール方法を記す。
Perlbrewの公式サイト「Perlbrew」やマニュアル (App::perlbrew – Manage perl installations in your $HOME – metacpan.org) などを参考にする。
ただし,PerlbrewのインストールにPerl自体が必要なので,注意する。
インストール
インストール方法は何通りかある。結局Perlを使うことを考えると,cpanでインストールするのがベストだと思うので,以下のコマンドでcpanでインストールする。cpaの設定は「cpanコマンドによるPerlモジュールのローカルインストール」で済ませておく。
cpan App::perlbrew
これでperlbrewコマンドがインストールされた。
使用方法
Perlbrewの基本的な仕組みを理解する。Perlbrewはデフォルトで~/perl5/perlbrew
ディレクトリーにperlをビルドしてインストールする。インストール先を変えたければ,これをPERLBREW_ROOT
環境変数で変更する。
今回はPerlbrewの動きを把握することが目的なので,デフォルトの設定で動作を確認する。
最初に以下のコマンドでPerlbrewを初期化する。
perlbrew init
これにより,~/perl5/perlbrew
ディレクトリーが生成され,etc/bashrc
などのシェルの設定などが保存される。
必要に応じて,以下のコマンドなどで設定を読み込むか,.profile
や.bashrc
などで自分で~/perl5/perlbrew
にパスを通す。
. ~/perl5/perlbrew/etc/bashrc
初期設定ができたらPerlを以下のコマンドでインストールする。
perlbrew install stable
# perlbrew install -n stable # no test
install
のサブコマンドの引数に,インストールしたいPerlのバージョンを指定する。バージョン番号を指定する他,stable
, blead
なども指定できる。バージョンを指定したい場合以外はstable
で問題ないだろう。
perlbrewでインストール可能なPerlのバージョンは以下のコマンドで確認できる。
perlbrew available
perl-5.33.0 i perl-5.32.0 perl-5.30.3 perl-5.28.3 perl-5.26.3 perl-5.24.4 perl-5.22.4 perl-5.20.3 perl-5.18.4 perl-5.16.3 perl-5.14.4 perl-5.12.5 perl-5.10.1 perl-5.8.9 perl-5.6.2 perl5.005_03 perl5.004_05 cperl-5.29.2 cperl-5.30.0 cperl-5.30.0-RC1
PerlbrewはPerlのソースコードをダウンロードしてGCCで実際にコンパイルする。その際,ビルドしたPerlのテストもする。このテストは時間がかかる。-n/--no-test
を指定することでスキップすることもできる。ただし,品質を保証できないので,基本的にはテストも実行したほうがいい。
インストール時に [Can’t locate Devel/PatchPerl.pm in @INC] のエラーが発生した場合,対処方法を「perlbrew install stable実行時のCan’t locate Devel/PatchPerl.pm in @INCへの対処」に記しているので参考にする。
マシンの性能によるが,だいたい30分くらいでインストールが完了する。
インストールが完了したら,以下のコマンドで使用可能なPerlbrewのPerlのバージョンを確認できる。
perbrew list
perl-5.32.0
PerlbrewのPerlに切り替える場合は以下のコマンドを実行する。
perlbrew switch 5.32.0
これでパスが~/perl/perlbrew
を参照するようになり,perlbrewのperlを使うようになる。
perlbrewのperlの使用を辞めてOSのPerlを使う場合は以下のコマンドを実行する。
perlbrew switch-off
以上が基本的な使用方法となる。
結論
Perlbrewのインストールから簡単な使用方法を整理した。
軽く使ってみた印象だと,特定のPerlのバージョンを使いたい場合は便利に感じた。
しかし,この程度だとGNU Stowを使って自分でソースコードからインストールしたほうがいいと思った。結局,ソースコードからコンパイルするところは変わらず,こちらは事前にPerlが必要なところがよくない。
そして,Perlbrewのディレクトリー構成が独自のものになっており,GNU Stowに取り込めない点が気になった。
後日,Perlのソースコードからインストール方法も整理したい。
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