LibreOffice Calcのグラフのデフォルトの配色を変更 | ベストな配色は印象も変える!
LibreOffice Calcのグラフの配色を検討したので,検討内容を記す。
概要
趣味のMTGの年間戦績の分析で久しぶりにLibreOffice Calcで集計・グラフ作成を行った。
Ubuntu 18.04のLibreOffice 6.0.7のCalcで行っていたのだが,デフォルトのグラフの配色が以下のようになっており,全体的に濃い色ばかりで残念だった。
そこで,デフォルトのグラフの配色を変更して,グラフの見栄えの改善した。
デフォルトのグラフの色は,[Tools]>[Options]>[Charts]>[Default Colors] の画面から変更できる。
デフォルトでは [Chart Colors] に [Data Series 1] から [Data Series 12] の12の配色が用意されている。
これらの配色は設定後,LibreOfficeの再起動後の次回以降のグラフ作成で適用されることに注意する。
右の [Add] と [Delete] ボタンを選択することで,配色を増やしたり減らしたりできる。ただし,12も配色があれば普段の利用では問題ないだろう。
この [Data Series ?] には,デフォルトで [Chart ?] の色が設定されている。この色がグラフの見栄えの悪さの原因だ。そこで,これらのデフォルトの配色を変更する。
ただし,今度はこの配色をどう選択すればよいか?という問題がでてくる。素人が自分のセンスを頼りに配色を選んでも失敗するだけだ。
そこで,この配色を検討する。以下の手順で配色を検討していった。
- カラーパレット
- 配色候補
- バリエーション
- 配色
カラーパレット
まず,配色に使用するカラーパレットを検討する。
これはLibreOfficeの標準の [standard] のカラーパレットに存在する色から色を選ぶことにする。
理由としては,どのLibreOfficeでも簡単に用意できるからだ。
配色候補
続いて,色の候補を [Data Series] が12個あることから12色選ぶ必要がある。幸いなことに,[standard] のカラーパレットには,zの順番で丁度以下の12色の基本色と,末尾に1-10の番号が付与された濃さのバリエーション (番号なしを含めると11のバリエーション) が存在する。
- Yellow
- Orange
- Red
- Pink
- Magenta
- Purple
- Blue
- Sky blue
- Cyan
- Turquoise
- Green
- Yello green
したがって,グラフの12の配色はこれらの11のバリエーションから選ぶことにする。
バリエーション
配色の候補を12×11まで絞り込んだ。今度はこの11の色のバリエーションからどのバリエーションを使うかを検討する。
まず,LibreOffice Calcで任意のセルを選択後,[Format]>[Cells…]>[Background] タブから配色一覧を眺める。
1行目はモノクロカラーで,2行目は番号なしの色,3行目から末尾に番号付きの色が続く。
ぱっと見た限り,無印〜2,10あたりが配色として悪くないように感じた。他の色は色が濃い。
以下の表に第一印象で悪くないと感じた色とデフォルトの配色一覧を記す。
Chart Colors | Default | Color | Color 1 | Color 2 | Color 10 |
---|---|---|---|---|---|
Data Series 1 | Chart 1 | Yellow | Yellow 1 | Yellow 2 | Yellow 10 |
Data Series 2 | Chart 2 | Orange | Orange 1 | Orange 2 | Orange 10 |
Data Series 3 | Chart 3 | Red | Red 1 | Red 2 | Red 10 |
Data Series 4 | Chart 4 | Pink | Pink 1 | Pink 2 | Pink 10 |
Data Series 5 | Chart 5 | Magenta | Magenta 1 | Magenta 2 | Magenta 10 |
Data Series 6 | Chart 6 | Purple | Purple 1 | Purple 2 | Purple 10 |
Data Series 7 | Chart 7 | Blue | Blue 1 | Blue 2 | Blue 10 |
Data Series 8 | Chart 8 | Sky blue | Sky blue 1 | Sky blue 2 | Sky blue 10 |
Data Series 9 | Chart 9 | Cyan | Cyan 1 | Cyan 2 | Cyan 10 |
Data Series 10 | Chart 10 | Turquoise | Turquoise 1 | Turquoise 2 | Turquoise 10 |
Data Series 11 | Chart 11 | Green | Green 1 | Green 2 | Green 10 |
Data Series 12 | Chart 12 | Yellow green | Yellow green 1 | Yellow green 2 | Yellow green 10 |
デフォルトの配色は全体的に色が濃く,黒文字との相性が悪い。
ここで,[Color] と [Color 2] は色の原色に近く,例えば [Blue] や [Red] の黒文字の視認性が若干悪く感じた。そして,[Color 10] は全体的に色が薄く,黒文字の視認性は悪くない。ただし,[Magenta 10] と [Red 10] の色が似すぎており,万が一隣接した場合の視認性が悪く感じた。
最終的に,[Color 1] がベストに感じた。
配色
ここまでで配色候補を [Color 1] に絞り込むことができた。
ただし,何も考えずに順番通りに色を割り当ててしまうと,グラフ上で隣同士が似た色になってしまい,視認性が悪い。
そこで,最後に [Data Series 1] から [Data Series 12] までの12の配色の割り当てを検討する。
割り当ては,元の色から間隔を空けて選ぶことで,隣が似た色相にならないように検討した。
Chart Colors | Color 1(間隔1) | Color 1 (間隔2) | Color 1 (間隔3) | Color 1 (間隔4) | Color 1 (間隔5) |
---|---|---|---|---|---|
Data Series 1 | Yellow 1 | Yellow 1 | Yellow 1 | Yellow 1 | Yellow 1 |
Data Series 2 | Orange 1 | Red 1 | Pink 1 | Magenta 1 | Purple 1 |
Data Series 3 | Red 1 | Magenta 1 | Blue 1 | Cyan 1 | Green 1 |
Data Series 4 | Pink 1 | Blue 1 | Turquoise 1 | Orange 1 | Pink 1 |
Data Series 5 | Magenta 1 | Cyan 1 | Orange 1 | Purple 1 | Cyan 1 |
Data Series 6 | Purple 1 | Green 1 | Magenta 1 | Turquoise 1 | Orange 1 |
Data Series 7 | Blue 1 | Orange 1 | Sky blue 1 | Red 1 | Blue 1 |
Data Series 8 | Sky blue 1 | Pink 1 | Green 1 | Blue 1 | Yellow green 1 |
Data Series 9 | Cyan 1 | Purple 1 | Red 1 | Green 1 | Magenta 1 |
Data Series 10 | Turquoise 1 | Sky blue 1 | Purple 1 | Pink 1 | Turquoise 1 |
Data Series 11 | Green 1 | Turquoise 1 | Cyan 1 | Sky blue 1 | Red 1 |
Data Series 12 | Yellow green 1 | Yellow green 1 | Yellow green 1 | Yellow green 1 | Sky blue 1 |
この中では,[Color 1 (間隔4)] と [Color 1(間隔5)] の場合が,バランスよく色相が並んでいる。他の場合,2-3が赤青系の似た色が続いてしまっている。
残りの [Color 1(間隔4)] と [Color 1 (間隔5)] はどちらもまばらで甲乙つけがたい。見栄えの比較用に,それぞれの配色を使った円グラフを以下に掲載した。
[Color 1(間隔4)] は [Data Series 1] と [Data Series 12] とで黄と黄緑が隣接するところがやや視認性が悪い。ただし,1と12が隣接する可能性はあまりないだろう。
ここの選択は正直センスに依存するだろう。今回は,黃と黄緑が連続するところと,間隔を空けて色を選ぶときにきれいに割り切れた [Color 1 (間隔5)] を選ぶことにした。
実際に,[Color 1 (間隔5)] の配色を [Data Series] に手動で設定していった。こちらの配色の設定をどこかに設定で保存できれば良かったのだが,方法がわからなかったので,その都度手動でやるしかなさそうだ。
結論
LibreOffice Calcのグラフのデフォルトの配色の見栄えが悪かったので,配色を検討して変更した。
デフォルトの色は色が濃く,黒文字が見えなくなってしまうという致命的な問題があった。やや淡めの色を選択することで,黒文字との相性を改善し,全体的に明るい印象の配色となった。
見栄えでデータの印象まで変わってくる。今後は,今回の配色でグラフを作り,いい資料を作っていきたい。