さくらのレンタルサーバーのDB容量には注意が必要

概要

2018年の5月から10月頃までさくらインターネットでsenooken.jpのドメインとサブドメインのサイトで運営していた。しかし,途中でDB容量の存在に気付き,結局これが理由でCORESERVERに移転することになった。

実際にサポートに問い合わせてやり取りしたので,事の顛末を記録しておく。

内容

他の多くのレンタルサーバーでは,DB容量はストレージ容量との合算なのだが,さくらのレンタルサーバーでは,ストレージ容量とは別枠でDB容量の上限が存在する。その上限はプランごとに以下の通りに決められている。

6.3. データベース使用量の目安

※「共用データベースサーバ」では『総使用量の規定』がございます。

※データベースの1個の規定値ではございません。規定以上の容量を使用されますと、
他のお客様への影響がでたり、障害が発生した場合、データの復旧が正常に行えない可能性がございます。

※データベース総使用量が規定値を超えますと、データベースの利用に制限がかかります。

※利用制限の解除は、容量が規定値内に収まるよう減らしていただければ、日次の自動処理
もしくは手動解除が可能です。

MySQL5.7
スタンダード 1.5GB
プレミアム 3GB
ビジネス 6GB
ビジネスプロ 9GB
データベースサーバ (スタンダードプラン以上) – 【さくらのレンタルサーバ】基本仕様 – さくらのサポート情報

スタンダードで1.5 GBプレミアムでせいぜい3 GB程度となっている。ストレージ容量自体はスタンダードでも100 GBあり,ストレージ容量とDB容量の差が大きい。WordPressなど通常のWebサイト・Webサービスを運営する上で,DBはほぼ必須である。その必須のDBの容量が10 GB未満なのはさすがに少なすぎる

肝心のDB容量が上限に達した場合にどうなるかについて,引用内で強調した通り,「障害が発生した場合、データの復旧が正常に行えない」,「データ ベースの利用に制限がかかります」とある。また,別のページには以下の通り,「データベースの新規作成に制限がかかる」ともある。


注意制限事項

「共用データベースサーバ」では『総使用量の規定』がございます。
規定以上の容量を使用されますと、他のお客様への影響がでたり、障害が発生した場合、
データの復旧が正常に行えない可能性がございます。

データベースはプランごとに”総使用量”が異なります。
スタンダード1.5GB、プレミアム3GB、ビジネス6GB、ビジネスプロ9GBです。
※データベース1個の規定容量ではありません。
※上記総使用量は、MySQL5.7が対象となります。
データベースの利用制限について
データベース総使用量の規定を超えますと、データベースの新規作成に制限がかかります。
また、弊社から対応依頼として、ご連絡をさせていただきます。
規定値を大幅に超えている場合、データベースの利用制限をさせていただきます。
※制限解除は日次の自動処理、もしくは手動で解除を行うことができます。
【レンタルサーバ】データベースの作成・追加・削除 – さくらのサポート情報

どちらもDB容量到達時にどうなるのか曖昧であり,レンタルサーバーの移行時期を判断できなかったので,サポートに問い合わせた。回答をいただけたので,要点を掲載する。

DB容量超過時の制限内容についての質問
項目 回答
データベースの新規作成に制限 データベースの新規作成の制限を行います。
障害復旧が難しくなる 規定以上の容量をご利用されている場合、データベースも共有サーバを使用しているため、他のユーザ様への影響が発生したり、障害発生時からのデータの復旧が正常に行えない場合がございます。

書いてあることと同じ内容の回答をもらえた。これだけだと何の参考にもならないのだが,追加で以下の回答をいただけた。

データベース容量を超過された場合、データベースの新規作成が制限されますが、データベースへの参照や書き込み、削除等は制限されません。


なお、制限容量を超過された状態で、さらに総容量が増加する場合は、弊社にて対応する場合もございます。

上限到達直後でも,参照や書き込みは可能とのことでひとまず安心した。しかし,制限容量超過後にさらに容量が増加する場合の対応がどうなるのかが気になったので追加で質問した。当時は既に年間契約していたため,できるだけぎりぎりまで使ってから移行したいと考えたからだ。この質問に対しては以下の回答をもらえた。

弊社で対処を行なう際の具体的な内容は、お客様の運用方法により異なりますが、対応を行なう前に弊社からお客様に会員登録アドレス宛にご連絡を行います。

容量超過後に対応する場合は,事前に連絡をくれるとのことだった。これ以上具体的な超過容量などの詳細な回答を得られないと判断して,ここで質問を終了した。

このDBの容量については,プランの比較表には掲載されておらず,サービス仕様の細かいところにしか書かれておらず,全然気づかなかった。こんな重要な情報をユーザーの目に入りにくい場所に記載しているのは悪質だと感じた。

結論

さくらインターネットはレンタルサーバー業者としては老舗であり,名前もよく知っていたので,サービスに期待していた。

しかし,実際のところはWebサイトを運営する上で必須のDBの容量が過小であり,値段やストレージ容量に対していまいちだった。普通にWebサイトを運営すると1.5 GBのDB容量など1-2年で枯渇するだろう。さくらインターネットのレンタルサーバーでWebサイトを運営するのは無理と感じ,年間契約をしていたにもかかわらず,利用半年程度で早々に他のレンタルサーバーに移転することにした。

他のVPSなどのサービスが好調なのか,レンタルサーバーはもうあまり気にしていないのだろう。期待はずれのレンタルサーバー業者だった。

さくらインターネットを使うくらいならば,それ以下の値段で容量も大きいCORESERVERを強く薦める。老舗で有名だからといって,サービスの質がいいとは限らないという典型例だった。今後の反省にしたい。

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