How to add new user on Solaris 10

Solaris 10でユーザーアカウントを追加する方法を説明する。

Introduction

Solaris 10は以下の3個の条件を満たしている。

そのため,誰でもSolaris 10という古いUNIX環境を構築し,動作を確認することができる。古のシェルであるBourne shellとksh88に無料でアクセスできるとても貴重なOSだ。しかし,レガシーであるがゆえに,Linuxなどとはユーザーを追加する方法が異なっており手間取ってしまった。

インターネット上には断片的な情報しか見当たらないので,今後のために手順を残す。

Problem

一般的には,ユーザーの追加は以下の手順となる。

  1. useraddコマンドでユーザーを作成
  2. passwdコマンドでパスワードを設定

しかし,以下のコマンドでSolaris 10でユーザーとそのホームディレクトリを作成しようとするとエラーが出てしまった。

useradd -m senooken
cp: /home/senooken: Operation not applicable
chown: /home/senooken: No such file or directory

useraddコマンドの-mオプションでホームディレクトリ/home/senookenを作成して,ユーザーsenookenを追加しようとしている。しかし,/home/senookenディレクトリの作成に失敗しているようだ。

何が問題だったのかを調べているとSolarisの公式ドキュメントが見つかった。

ホームディレクトリは、ユーザーのローカルシステムまたはリモートファイルサーバーのどちらにでも配置できます。どちらの場合も、慣例により、ホームディレクトリは /export/home/username として作成します。
中略
ホームディレクトリが配置される位置に関係なく、ユーザーは通常 /home/username という名前のマウントポイントを介してホームディレクトリにアクセスします。Autofs を使用してホームディレクトリがマウントされていると、どのシステムでも /home マウントポイントの下にディレクトリを作成することは許可されません。
ホームディレクトリ (Solaris のシステム管理 (第 1 巻))

どうやら,Solaris 10では/export/home/にホームディレクトリを作成して,そこからAutofsで/home以下にマウントするのが通例のようだ。

公式ドキュメント(ユーザーアカウントの設定 (作業マップ) – Solaris のシステム管理 (基本編))を参考にして,ユーザー追加を行う。

CLI(Command Line Interface)で行う場合と,GUI(Graphical User Interface)を使う場合の2通りがある。操作が直感的でわかりやすいので,GUIでの設定をおすすめする。説明の文量はCLIが短いのでこちらを先に説明する。

なお,Solaris 10で追加できるユーザー名は最大8文字で,パスワードには1文字以上の数字と2文字以上の英字で,6-16文字以内で設定する必要がある。さらに,ユーザー追加作業はrootユーザーで行う必要がある。

CLI

  1. useraddコマンドで/export/home/配下にホームディレクトリを指定してユーザーを追加する。
    useradd -m -d /export/home/senooken senooken
  2. passwdコマンドでユーザーにパスワードを設定する。
    passwd senooken
  3. usermodコマンドでホームディレクトリの位置を/home/配下に指定して変更する。なお,ホームディレクトリが/export/home/のままでもよければこれ以降の設定は不要である。
    usermod -d /home/senooken senooken
  4. /etc/auto_homeファイルの末尾に以下の内容を追加する。なお,IPアドレス127.0.0.1は代わりにlocalhostを指定しても大丈夫なようだ。
    senooken 127.0.0.1:/export/home/senooken

設定は以上で完了となる。ログアウトして,追加したユーザーでログインすると,ホームディレクトリが/home/senookenになっている。

参考:

GUI

端末から以下のコマンドを実行してSolaris管理コンソールを起動する。

/usr/sadm/bin/smc undefinedamp;

[Navigation]→[This Computer]→[System Configuration]→[Users]

rootのログインを要求されるので,パスワードを入力→[OK]

[Users]→[Action]→[Add User]→[With Wizard]

[Step 1: Enter a user name.]:[User Name]を入力し,オプションで[Full Name]と[Description]を入力→[Next]

[Step 2: Enter a user identification number.]:[User ID Number]を入力。特に変更する必要はなく,既定値の100のままでもいい。→[Next]

[Step 3: Enter the user’s password.]:[◎User Must Use This Password At First Login]→[Password]と[Confirm Password]を入力。パスワードは,6-16文字で,1個以上の数字と2個以上の英字が必要。→[Next]

[Step 4: Select the user’s primary group.]:[Primary Group]は変更する必要はない。→[Next]

[Step 5: Create the user’s home directory]:とくに変更する必要はない。→[Next]。

[Step 5: Specify the mail server.]:変更する必要はない。→[Next]

[Step 7: Review]:内容を確認→[Finish]。

コンソール画面に新しくユーザーが追加される。

これでユーザーの追加は完了。ログアウトして追加したユーザーでログインすると/home/senookenがホームディレクトリとなる。

参考:Solaris 管理コンソールのユーザーツールを使ってユーザーを追加する方法 – ユーザーアカウントの設定 (作業マップ) – Solaris のシステム管理 (基本編)

Summary

Solaris 10でユーザーを追加する方法を解説した。Solarsi 10自体が古いため,ネット上に残っている情報はもう10年以上前のものがほとんどで,探すのが難しくなってくる。あったとしてもCLIだけのものや,GUIだけのものなど断片的である。今回はGUIの手順で実際の画面キャプチャーも掲載したのでわかりやすく作れたのではないかと思っている。

互換性を考えると,古い環境での動作がネックになってくる。使えるコマンドや,オプション,シェルの挙動など,シェルスクリプトの動作検証環境として役に立つので,Solaris 10での動作環境を持つことをおすすめする。

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