BibTeXとMS Wordの連携ツール「Bibtex4Word」の使用方法

概要
Bibtex4Wordというbibファイルをbibtexで処理した結果をMS Wordに取り込むマクロが存在する。これを使ってbibファイルをWordでも活用できる。
上記を元に使い方を整理する。Windows 7とW32TeXでの組み合わせで確認した。
インストール方法
1. まず、MikTeXやTeX Live、W32TeXなどのディストリビューションによりTeXエンジン (正確にはbibexコマンド) を事前に導入しておく。
2. bibexのある場所にPATHを通す。[スタートメニュー]>[設定]>[コントロールパネル]>[システム]>[詳細]>[環境変数]に以下のように記入すればよい。
;C:\texlive\2013\bin\win32\3. 「Bibtex4Word」のbibtex4word.zipをクリックしてBibtex4WordマクロをDL・解凍する。
4. 以下の場所(Windows 7の場合)にbibtex4word.dotを保存 する。
C:\Users\Senoo\AppData\Roaming\Microsoft\Word\STARTUP5. 以下の環境変数を必要に応じて設定 (BIBEXEだけでおそらく十分) する。
| 環境変数 | 説明 |
|---|---|
| BIBEXE | Bibtex4Wordが使うbibtex.exeのフルパス |
| BIBFILE | Bibtex4Wordが使う標準のbibファイル |
| BIBSTYLE | Bibtex4Wordが使う標準のbstファイル |
| BIBTEMP | Bibtex4Wordが使う一時フォルダの場所 |
以上でインストールは完了となる。
実行方法
以下の手順でBibtex4Wordを使う。
- Wordを開く
- アドインタブにアイコンが登場
- フォルダマークで使用するbibファイルを指定
- ブラシマークでbstを指定
- +マークで引用の挿入
- 箇条書きマークで文献一覧を挿入
独自のbstファイルを使いたい場合は、BSTINPUTS環境変数にbstファイルのあるフォルダを指定しておけばどこからでも参照可能だ。
ついでに、BIBINPUTS環境変数にbibファイルのフォルダを指定することで,該当bibファイルをどこからでも参照可能となる。
TeX Liveでの問題
TeX LiveでBibtex4Wordを使うとうまく機能しなかった。どうやらTeX Liveの環境変数の設定が必要なようだ (参考: Allen’s Blog: JabRef + Bibtex4Word + Texlive2010 (Updated))。
参考サイトを元に設定方法を記す。
OPENOUT_ANYという環境変数をうまく設定ないとbibtexが動作しない。
環境変数に以下を設定する。
OPENOUT_ANY = r
そして,C:\texlive\2013\texmf.cnfに以下の1行を追記すればよいらしい。
OPENOUT_ANY = r
ただ、このように設定しても私の環境ではうまくいかなかった。
具体的には、箇条書きボタンで文献一覧を挿入しようとすると以下のエラーが出る。
Missing Bibtex log file: C:\Users\Senoo\AppData\Local\Temp\bibtex4word.blg
bibtex4word.blgというファイルができていないのが原因だ。そしてこのファイルは、bibtex.exeが実行されたときにできるログとのことだ (参考: Bibtex4Word)。
この問題はTeX Live固有の問題のようだ。TeX LiveではTeX Liveのディレクトリ外でbibtexコマンドを実行するのはセキュリティの問題から制限されているらしい。
W32TeXだとこういうOPENOUT_ANYなんかの設定がなくてもうまくいった。ディストリビューションごとのbibtexの変更は、
PATHとBIBEXEの環境変数を変更してWidowsを再起動すれば反映される。他にも方法があるのかもしれないがわからなかった。
参考で記したサイトではTeX Liveでもうまくいったと書いてあったが私がやる限りうまくいかなかった。なぜだろうか?
Bibtex4Wordの利点と欠点
| 利点 | 欠点 |
|---|---|
|
|
普段TeXを使っているユーザーがWordでも同じような文献引用をするにはかなりよい方法だと思う。
ただ、TeX Liveだとbibtexがうまく動作しないのが致命的だ。なにかよい方法はないだろうか。解決方法が見つからなかった。
結論
Bibtex4Wordのインストールから簡単な使い方を整理した。
BibTexをMS Wordで使う上では動作さえすれば,最も高機能に感じた。MS WordでもBibTeXを使いたいときに利用を検討する価値があるだろう。

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