CAE情報交換会で「CAEに関する課題雑感」という演題で発表したので参加報告を記す。
概要
項目 | 内容 |
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イベント名 | CAE情報交換会 |
開催地 | 東京都 |
開催日時 | 2018-04-16 19:30-21:00 |
参加人数 | 数人 |
項目 | 内容 |
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演題 | CAEに関する課題雑感 |
スライド | https://senooken.jp/public/20180416/slide/ |
動画 | https://senooken.jp/public/20180416/movie/ |
感想
経緯
今回の発表は,4月初旬にCAEに関する過去の発表資料に 興味を持った人から,メールをもらったことがきっかけだった。なんでも,数値計算で使われるデータ形式について興味があるとのことで,このことに僕が言及していて興味を持ったらしく,情報交換をしたいとのことだった。特に,数値計算のデータとしてNetCDFやSQLite,HDFを使うことについての意見に興味を持ったとのことだ。
数値解析についてはここ2-3年一切手を付けておらず,興味関心も薄らいでいたので,そこまで乗り気ではなかった。しかし,このようなメールをもらったのは初めてで,久しぶりに数値解析の話をするのもいいかと思って応じることにした。幸い,新しい会社に入社したばかりで,残業が発生しにくいのでタイミングとしてはよかった。
資料を公開して数年経ち,たくさんダウンロードされているが,ほぼ誰からもコメントはない。そのため,このようにメールで直接連絡をもらえるのは反応があって嬉しいしありがたいことだ。
スライド
手ぶらでいくのも気まずいので,自己紹介も兼ねて話題提供用の資料を作った。当初は,最近知ったWebSlidesというスライドのライブラリーを使ったCSS組版のスライドにしようかと思って着手した。しかし,作成に時間がかかるので断念し,LibreOffice Impressで作った。
ここ2年ほどCSS組版でのスライドづくりに取り組んできたが,結局スライドは見た目が重要だ。マークアップで意味論を付けるのは悪くないが,意味論よりも見た目が大事だ。マークアップでやる場合,配置の調整がかなり手間になり,これにスライド作成の大部分の時間が取られていた。限界を感じたので,今後はスライド作成はLibreOffice Impressで作ることにした。
直前の日曜日である2018-04-15の夕方頃から作り始めて,製作時間だいたい5-6時間くらいだっただろうか。やはり,LibreOffice Impressで作ると,配置など狙い通りに配置しやすくて楽だった。
発表内容
発表の内容は,スライドに書いてあるとおり,以下の3構成となっている。
- 自己紹介
- 課題
- 他分野との連携
1点目は自己紹介だ。面識もなく何も知らない人だったので,今回は自己紹介することにした。引っ越しをしたり転職をしたので,近況や自分がどういう方向性で進んでいるのかを記すには調度よいタイミングだった。
2点目はCAEに関する課題についてだ。今回は相手が特にCAEにおけるデータ形式について興味をもっていたので,そこを中心に展開した。思い返 せば,過去にCAE絡みで発表した内容もNetCDFやVTK,DXFなどデータ形式に関するものが多くて,自分はこういうところに興味関心があるのだな と思った。その他,可視化ソフトや,CAEのモチベーション,コミュニティについても持論を述べた。CAEはビジネスよりなところが強くて,クローズドな 分野だ。しかし,学術的で知的レベルが高いのでもっとオープンにやればいろんな可能性がある。最終的にはまたこの数値解析の分野に戻ってきたいなと思って いる。
3点目はCAEと他分野との連携についてだ。最近のトレンドとして,VRやゲームが盛り上がっており,こうした分野とCAEをうまく連携できたら面 白いだろう。実際にそういうことをフォーラムエイトという会社がやっている。2018-04-06にはこの会社がスポンサーであるVR専門の番組についてのプレスリリースもあった(余談だが,この会社は大学院修了時の就職活動で内定をもらっていたので,惜しいことをしたなと後悔している)。
その他にも,Web,GIS,IoTやらでCAEと絡めれたら面白いだろうなと前から思っていた内容をとりとめもなく列挙した。
雑感
10分くらいの発表を予定していたのだが,結局のんびり話したので20分くらいかかってしまった。普段,仕事をしていても自分の意見をきかれることなんてほぼないので,久しぶりにしゃべりまくれてよかった。
発表後は主にこちらが提供した話題を元に世間話をした。今回の発表や,他分野との連携など方向性が近い考えの人がいて,話はいい感じだった。
データ形式については理研もいろいろ調査したりしているようだが,あまり議論が活発でない。CAEの人たちはどちらかというと学術的な面での議論が多くて,IT技術の話はあまりない。これはもったいない。
CAEはけっこう学術的な面が強い。ただし,学者はIT技術に疎いので往々にして保守しにくい数値解析のソフトがうまれる。そこをIT技術のある人がうまくサポートしていけば,うまくやれる。CIやテスト,バージョン管理など。こういうことができるのは,最新の技術に見解のある技術力のあるところだけだ。向上心のない人が高い役職につくと,新しい技術を取り込めなくて全体のレベルが低くなる。知的レベルがあって,技術力のある職場で働けたらいいだろうなと感じる。
CAEと他分野との連携(とくにVR)はできたら面白いかもしれないが,これをどうやって仕事に結びつけていくのか,技術をみにつけていくのかが課題となった。自分の意見は,自分一人でやるのはつらいので,チームで組んでお互いに切磋琢磨してやっていけるのがいい。お金のことはおえらいさんの仕事だから,そこは賢い人にどうにか知恵を出してもらうのがいい。自分でお金にできるなら,自分で会社を作ってやればいいだけだから。
まとめ
3年ぶりくらいに数値解析の話をした。発表資料を用意するのは疲れるが,知的レベルの高い他の人と意見交換するのは面白い。仕事や自分の興味関心と結びつけていけれたらもっといい。自宅にこもって勉強するのもいいが,たまには他人と議論するのもいい刺激になる。
また,機会を見つけてカンファレンスなどにも参加していきたい。