GnuCashで仕訳帳 (General Journal) の期間の指定方法

概要

以前,「GnuCashによる確定申告に必要な帳簿と決算書の作成」 で決算書類をGnuCashで作成した。その後,新型コロナウイルス感染症に関する資金繰り支援策への申込みのため書類を作っていた。その中で,今年に 入ってからの仕訳帳 (general journal) (仕訳を日付順で列挙した帳簿) を用意する必要がでてきた。決算書類と同じ手順で仕訳帳を再作成していると,仕訳帳で表示期間を指定できないことに気付いた。

この問題について,試行錯誤して回避策を考案したので,同じ問題で困っている人のために情報を残す。

なお,後日別の方法による解決策を見つけ,「GnuCashでの仕訳帳 (General Journal) の期間指定はコツが必要」に記したので,この記事ではなくこちらの参照を推奨する。

再現

まずは,肝心の問題の再現方法を記す。

[Reports]>[Assets & Liabilities]>[General Journal] を選び,仕訳帳の出力画面を表示する。

デフォルトでは上記のように,帳簿上の全期間が表示されてしまう。そこで,[Edit]>[Report Options] から表示対象期間の指定を試みる。

しかし,そもそも表示期間の設定が存在していなかった。念の為,[Edit]>[Preferences]>[Account Period] も変更してみたが,変化がなかった。

例えば,メニューで隣の [General Journal] (総勘定元帳: 仕訳を勘定科目ごとに列挙した帳簿) の場合,設定に以下のように [General] タブから表示期間を指定できた。

Ubuntu 18.04のGnuCash 2.6.19で確認したほか,GnuCashの新しいバージョンの3.6でも同じくGeneral Journalの期間を指定できなかった。

調査

念の為,マニュアルを確認してReportのGeneral Journalで表示期間を指定できないか調べてみる。

唯一見つかったのが以下の情報だった。

The General Journal defaults to showing only the previous month of transactions. This is changeable by using the “Filter By…” on the View menu.

6.18. General Journal

こちらの情報によると,[View]>[Filter By…] で期間を指定できるらしい。しかし,残念なことにこの説明はReport画面ではなく,Transaction画面 (仕訳画面) のものであり,残念ながらReportのGeneral Journalにはこのようなメニューは存在しないようだ。

なお,今回指摘した仕訳帳で期間を指定できない問題について,同じ報告が「GnuCash – User – Date ranges on General Reports/General Journal?」にもある。しかし,根本的な解決策は回答されていなかった。代わりに,以下の回避策がEdwardにより回答されていた。

I do, however, have two suggestions for you to work around the problem.

1) Open the General Journal report, and Export. It will save as an HTML

file. Open that HTML file in Excel or a similar editor, and delete the rows
which are outside your date range. I can verify that this worked for me,
with Excel 2016. It took a few minutes because the file size was large, but
eventually it completed.

2) Save your GnuCash file as SQL and query the database. I haven’t tried
this myself but I understand from what others have written that this is a
nice, relatively easy way to get data out of your GnuCash file. Writing the
SQL query is almost certainly easier than patching the Scheme in which the
reports are written. I’m not familiar enough with this method to help you,
but others on this list are SQL masters and might be able to help you.

Method 2) is the direction in which GnuCash is moving, which may explain
why so many of the current reports are not well maintained: they will soon
be obsolete anyway.

GnuCash – User – Date ranges on General Reports/General Journal? – Edward Doolittle

ReportをHTMLに出力してHTMLを編集するか,GnuCashのデータを直接編集してやればいいのではないかという案だ。

方法

ここまで試行錯誤したところで,仕訳帳の表示期間を指定するための2個の回避策を考案した。

回避策
  1. レポートをHTMLに出力後,HTMLを編集して余分な期間を削除し,WebブラウザーでPDFに出力。
  2. 表示期間のデータを別ファイルに分離。

簡単なのは1の方法だ。一度HTMLに出力して,HTMLを直接編集する。最後に,Webブラウザーで印刷またはPDFに出力することで,指定した期間の仕訳帳を用意できる。

2の方法は少々手間がかかる。仕訳帳がGnuCashの全期間のデータを表示してしまうので,表示対象のデータを別ファイルに分離して出力する。GnuCashのImportとExport機能を駆使することになる。手間はかかるが,万全を期すならばこちらの方法をとることになるだろう。

用途や見た目に応じてこれらの方法でうまく仕訳帳を用意する。

結論

GnuCashのReportsで仕訳帳 (General Journal) の表示期間の指定方法を記した。

根本的な解決にはなっていないが,うまい回避策を考案できた。GnuCashの日本語の情報は量が少なく,匿名掲示板の情報も探ってみた。残念ながら,有益な情報は見つからなかったが,同じ問題で困っていた人を見つけた。そのため,「GnuCash – 個人・小企業向け財務会計ソフト part2」で回答した。

その他,この件については作業中に「Conversation – social.senooken.jp」に雑感を残した。

仕訳帳の表示画面は他のReportの項目と似ているので,ソースコードのコピペで対応できそうな気がしている。1週間くらい頑張れば修正のPull Requestを出せそうな気もするのだが,肝心の時間の確保が難しい。

仕訳帳は青白申告でも保管書類として指定されており,重要度が大きい。可能であれば,どこかのタイミングで挑戦したい。



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