書評☆2 エンジニアリング組織論への招待 | 不確実性の取扱には確かな裏付けのある方法で対応すべきだろう

概要

ITエンジニア本大賞2019の技術書部門の大賞に選ばれていることに興味を持って読んだ。

ちなみに,ビジネス書部門の大賞の「イシューからはじめよ」も読破し,書評を付けている。

エンジニアリングを使った製品開発をしている企業の組織論が述べられている。IT企業を念頭に置かれているように感じたが,抽象度が高かったので,一般企業にも通用する部分は多かった。

表紙にもあるように,組織での失敗は,不確実性の取扱にあるとして,思考方法,コミュニケーション,マネジメントについて考察されていた。

ただし,自分にとってはあまり有用ではなかった。理由は,大部分が著者の考えだけに依るものだからだ。一部,申し訳程度にデータの引用や他書の引用はある。しかし,本書の大部分はあくまで著者の考えに過ぎない。学術的な理論や根拠に基づいているものではない。そういう意味で,あまり信頼できないと思った。

また,内容がけっこう抽象的で,一般社員が活用できるような内容ではなかった。せいぜいリーダークラスが最後のマネジメントの部分を参考にできるかもしれないという感じだった。

特に,コミュニケーションの部分に関しては,本書よりも「人を助けるとはどういうことか」を読んだほうが効果的だと感じた。

不確実性の取扱が重要とあるのだから,対処方法も著者の考えだけでなく,裏付けのあるより確実性の高い方法で対処すべきだろう

結論

書籍のレイアウトはきれいに組版されており,内容にしては比較的読みやすかった。ただし,その肝心の内容が,いかにもコンサルタントや意識高い系の人間が好きそうな小難しくて,一見もっともらしそうなことがだらだらと書き連ねられている。

これらの内容に,学術的な根拠や裏付けがあるならばまだよかった。しかし実際はあくまで著者の考えに過ぎない。著者を信頼できるならば,意味はあるかもしれないが,そうでなければあまり有用ではないと感じた。

ネット上で過大評価されていると感じた。どこぞのよくわからん人間に新しく書かれたそれらしい意見よりも,多少古くてもしかるべき人間に書かれた信頼できる情報を当たったほうがよいと感じた。

パーマリンク: https://senooken.jp/post/2019/05/01/

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