書評☆3 最新 IT業界の人事・労務管理と就業規則 | IT業界の標準的な就業規則の考え方

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概要

複数の社会保険労務士や弁護士などにより,IT業界における人事の仕事として,労務管理と就業規則を解説していた。

常駐派遣の形態の労務管理から,標準的な就業規則のポイントについて書かれており,教科書のように感じた。

内容的に,人事担当者でもなければ,あまり興味はわかないと思うが,書かれている内容が教科書的で参考になった。

SES企業に勤務しており,客先常駐について何か書かれていないかと思って読んだ。一般的な派遣や偽装請負の話が書いてあるだけでここは物足りなかった。

参考

p. 29: 2 二重派遣

二重派遣とは、派遣先が派遣元事業主から労働者派遣を受けた労働者をさらに業として派遣することをいいます (図表7)。

この場合、最初の派遣先は当該労働者を直接雇用しているわけではありませんので、「労働者派遣を業として行っている」とは言えません。つまり、二重派遣は、形態としては労働者供給を業として行うものとして、職業安定法第44条違反となるのです。

p. 168: 2 特別有給休暇の付与制度

次に、「特別有給休暇の付与制度」をご紹介します。

ご存じのように、年次有給休暇は、入社から半年間の勤務を経て初めて付与されるのが法律上のルールですが、これを思い切って入社時に与えてしまうのです。


しかし、半年勤務後に付与される年次有給休暇の一部を繰り上げて付与する制度設計を行うと、少し問題が発生します。


ここで、6か月勤務後最初に付与される10日の有給休暇を分割付与し、入社時点の4月1日に5日付与した場合には、次年度の基準日も同様に繰り上げなければならないのです。


この場合には、「年次有給休暇の分割付与」という形で入社時に有給休暇を付与するのではなく、「特別休暇」として入社時に有給休暇を与えるようにするとよいでしょう。

通常では,有給休暇は入社後半年経過しないと付与されない。労働者にとっては,これは利便性が低い。優良企業では,このあたりがわかっているから,入社時点で有給休暇を付与する制度設計を導入している。こうした入社時点での有給休暇を付与する制度設計のポイントが書かれていて参考になった。

結論

標準的なIT業界の就業規則や労務管理について書かれていた。

IT業界で人事の仕事をする場合,基本知識として読んでおくと良いと感じた。また,人事以外の人が新しく制度を提案する場合にも,基本知識として参考にはなると感じた。

ただ,SESに関する込み入った話を期待していたのだが,そこはなかったので残念だった。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/09/20/

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