書評☆3 問いかける技術 | 「謙虚に問いかける」は相手を思いやることから始まる

概要

前著である 「人を助けるとはどういうことか」で,
支援関係において重要な役割を果たす控えめな問いかけ (本書での謙虚な問いかけ) に焦点をあてた本となっている。

良好な人間関係を構築するための方法論についての本だ。前著と重複する部分や関連するところはあるが,基本的に内容は独立している。

内容は,謙虚に問いかけるの事例や自分が話す文化に対する著者の懸念,ますますグローバル化する組織における良好な人間関係のコツなどとなっている。

お互いに信頼関係を構築し,何でも気兼ねなく話せる組織にするというのが,Google社などの一流企業では当たり前になっている。これはこうしたシャイン先生達の研究成果を自社に取り込んだ成果でもあるだろう。

謙虚に問いかけるは結局のところ相手を思いやるところから来ている。具体的にどういう問いかけを出せばいいのかというところまでははっきりとは書かれていない。そういう意味で前著と比べると自分にとっては物足りなかった。

参考

p. 17: 謙虚に問いかける (Humble Inquiry) の定義

「謙虚に問いかける」は、相手の警戒心を解くことができる手法であり、自分では答えが見出せないことについて質問する技術であり、その人のことを理解したいという純粋な気持ちをもって関係を築いていくための流儀である。

謙虚な問いかけの定義が書かれていた。

p. 23: 謙虚の意味

謙虚には以下の三つの意味があるので、この言葉を十分に理解するためには、三つを区別して考えると読者の理解が深まるだろう。

  1. 年長者や身分の高い人に接するときに抱く気持ち
  2. 偉業を成し遂げた人を前にして、畏怖の念から生まれる気持ち
  3. その時々で必要な、相手に対してへりくだる気持ち(「今ここで必要な謙虚さ」)。仕事を達成するために、時として私たちは誰かに頼る。そのことによって、私たちはこの種の謙虚な気持ちを持つようになる。

この本で取り扱う「謙虚」の考え方が示されていた。本書では特に3番目の意味を,良好な人間関係の構築の鍵としている。

p. 43: 支援を求めやすい風土は上司の責任

一方で、組織のなかで地位が低いほうの人間は、頼まれもしないのに地位の高い人に対して反対意見を口にしたり手伝いを申し出たりすることは控えたほうがいい、それは相手を侮辱することになる、と感じていることが多い。そうなると、支援を求めやすい風土をつくることは上司の責任になってくる。彼らのほうから部下に力を貸してほしいと言わなければならない。

これは全くその通りだ。

p. 54: 1. 妻のメアリーをお茶に誘う

謙虚に問いかけるが必要な場面としてありがちな事例の紹介だった。仕事が忙しく,相棒のひと休みするような勧めや提案を「悪いけど、忙しいんだ。」といってそっけなく断った。これが悪かった。

この場合は次の3個の選択肢があり得る。

  1. 自分の意思を貫き断る
  2. 提案を受ける
  3. 謙虚に問いかける。少し話そうと提案する。

このような相手を取るか自分を取るかという選択を迫られた場合,二人にとってどうするのがいいかという視点で問題の解決に取り組める。

結論

前著の「人を助けるとはどういうことか」に興味を持ち本書も読んだ。

良好な人間関係を構築する上では,思いやる心が大事だ。そういう意味でデール・カーネギーの名著である「人を動かす」と通じる部分がままあった。

具体的な事例は参考にはなったものの,やはりその場その場で適格な質問を自分で考える必要があり,けっこう難しいなと感じた。前著のように原則としてまとめてあれば参考にしやすかった。

パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/02/26/

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